2026年9月19 日(土)、立教大学大学院経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)の説明会をリアル&オンラインで同時開催しました。
説明会前半の「教職員パート」では、教職員がコースの特色や入試制度について説明を行い、続く「在学生・修了生パート」では、1年次、2年次の在学生及び修了生が、授業内容や在学中の生活、修了後の活動そして、受験勉強や入試の話など、LDCでの「学び」について、詳しく紹介しました。
説明会後半は、在学生、修了生20名(オンラインでは16名)が参加者からの個別質問に直接答える「座談会(質疑応答セッション)」が行われました。
今回の説明会にご参加いただけなかった方にもLDCへの理解を深めていただけるよう、説明会レポートを「教職員パート」「在学生・修了生パート」及び、寄せられたご質問とその回答をご紹介する「Q&Aパート」の3回に渡ってお届けいたします。
<在学生・修了生パート「在学生&修了生から見たLDC」の流れ>
◇2年間の学習スケジュール
● 年間スケジュール
● 1週間の過ごし方
◇リーダーシップ開発について
●リーダーシップ開発のカリキュラム
● リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト(LWP)
◇集大成としてのLFP、修了したその先は?
●1年次・2年次のプロジェクトワーク(クライアントワーク)について
●リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)
● LDC修了後のキャリア
●アルムナイ活動
◇LDC受験までの道のり
●受験に必要な準備とスケジュール
●受験決意・勉強開始の時期
●受験体験記
※当記事の記載内容は2026年度のコース運営に基づいています。
◇在学生・修了生パート「在学生&修了生から見たLDC」
「知の消費者」ではなく「知の生産者」となるべく、「学びの場は自らつくる」のがLDC流。説明会も毎年、学生主導で企画されています。在学生・修了生パートでは、1年次6名、2年次3名、LDC修了生3名の計12名が登壇し、「在学生&修了生から見たLDC」というテーマで、LDC入学前から修了後まで、「LDCのリアル」を語りました。
まずは登壇メンバーがそれぞれのニックネームで自己紹介。LDCではグループワークも多く、チーム内でフラットに話し合える環境づくりのため、入学当初からお互いをニックネームで呼び合う文化があります。年齢や立場の違いなどは関係なく、LDCの中では、みんなが共に学び合う仲間、そんな和気藹々とした雰囲気が伝わってきます。
◇2年間の学習スケジュール
LDCで学ぶ2年間はどのようなものになるのでしょうか。まずは、2年次の2人が、2年間のスケジュールについて説明しました。
● 年間スケジュール
LDCのカリキュラムはほとんどが必修の授業で構成されています。下図は今年度の年間スケジュールを「チーム演習」「個人演習」「講義&レポート」という3種類の授業形態別に色分けしたものです。スケジュールを詳しく見ていくと、1年次の方が授業数も多く、「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト」(LWP)や「人材開発・組織開発論I、Ⅱ」などのグループワークを中心とした「チーム演習」が多いこと、2年次には修士論文にあたる「リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト」(LFP)という「個人演習」以外は、「講義&レポート」が中心となっている、ということが分かります。また、人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の大学院ということで、「組織行動論」「戦略的人的資源管理」「リーダーシップ開発論」など、この領域に特化した授業が多い、ということも見て取れます。

1年次の春学期のメインとなるのは、「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト(LWP)」です。入学式直後のキックオフで発表されたチームで3か月に渡ってグループワークを行い、7月の最終成果発表会ではテーマに基づいて開発したオンライン・ワークショップを発表すると共に、チーム内の相互フィードバックによりリーダーシップ開発を体験します。そのほかにも、経営学の基礎知識を学ぶ「経営学概論」やリーダーシップに関する基本知識を体系的に学ぶ「リーダーシップ開発論」、戦略と組織・人材に関する理論と最新動向を知る「戦略的人的資源管理」、ケース・ディスカッションを通して、組織行動論の基礎を理解する「組織行動論」などの講義があり、それぞれに課題やレポート提出、発表などがあります。
春学期は7月に終了しますが、8月には4日間の選択授業「ケースで学ぶリーダーシップ」の集中講義があります。また、新たなグループが結成されてリアルクライアントに対する課題解決プロジェクトを行う秋学期の「人材開発・組織開発論Ⅰ」のキックオフとなる授業も行われます。
1年次の秋学期からはグループで実際に外部クライアントに対して人材開発・組織開発の働きかけを行う「人材開発・組織開発論Ⅱ」や同じくグループワークでデータ分析について学ぶ「データ・アナリティクス演習」、そして経営戦略に関連する理論や概念を学ぶ「経営戦略論」、選択科目として「戦略的人事実務論」、「チームワーク論」などの講義があります。秋学期修了後、春季集中講義では3日間、プロセス・コンサルテーションにおけるコンサルタントのあり方を学ぶ「グループ・プロセスへの働きかけ演習」が行われます。
2年次は個人演習が中心となります。個人でクライアントの組織開発、人材開発の働きかけを行い、修士論文にあたるプロジェクト報告書を書き上げる「リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)」に1年かけて取り組みます。「医療とリーダーシップ」、「人材開発・組織開発実践論」、「マネジリアル・コーチング論」、「質的研究法」、「リーダーシップの理論」、「キャリアとリーダーシップ論」、「ナラティヴの心理学」といった授業に選択制で取り組みます。2年次になるとグループワークの授業は無くなりますが、その分、セルフマネジメントが重要になります。
●1週間の過ごし方
入学後はどのような日々が待っているのでしょうか。社会人大学院ということで、授業は金曜日の18時半~21時55分までと、土曜日の朝8時50分~17時までとなっています。授業は基本的にオンラインですが、土曜日はリアルとオンラインミックスのハイブリッド形式で授業が行われることもあります。
ただし、各授業の予習復習、レポートや課題、オンラインでのグループワークなどはその他の時間に取り組む必要があり、「基本、忙しい日々」だといいます。ほとんどが仕事をしながら学ぶLDC生は、大学院での学びと仕事、プライベートをどのように両立させているのでしょうか。2年次の在学生3人が、それぞれ「1年次春学期」、「1年次秋学期」、「2年次春学期」の“かなり忙しかった1週間”のタイムテーブルを示しながら、LDCで学ぶ日々の実態について語りました。
【1年次:春学期】<フルタイム勤務・朝型の例>

1人目の在学生は「フルタイム勤務・朝型」。この在学生は、もともと朝型ではなかったそうですが、「LWPのグループワークはチームメンバーが朝に集まりやすいということだったので、朝6時~7時半、週に3回ほどやっていました。朝はその後も個人課題をやったりして平日の日中は仕事。夜もチーム課題に取り組むなどし、金曜夜から土曜日は終日授業。日曜日にやっと家族時間が取れる、という感じでほぼ大学院の時間です。入学前は、夜、友人とご飯に行くことが多かったのですが、入学してからは、週に1度行かれればいいかな、という感じになりました」と話しました。
【1年次:秋学期】<フルタイム勤務・超夜型の例>

2人目はリモートワークで働く「フルタイム勤務・超夜型」。「この週はこれまでで一番忙しかった一週間です。月曜日、火曜日に出張での大事な仕事のイベントがあり、週末に大きな課題提出が2本あるという状況でした。まずは、出張中も仕事の合間を縫って課題やレポートに取り組んだものの終わらず、同僚に頭を下げて木曜に半休、金曜に有休を取得し、家事も夫にお願いしてなんとか提出できました。日曜日には秋学期を共に走り抜けた人材開発・組織開発Ⅱのチームで打ち上げをしました。ちなみに、これで終わりではなく、帰宅後はしっかり個人課題を仕上げました。学びは続くどこまでも…です」と話しました。
【2年次:春学期】<フルタイム勤務・子育て中の例>

3人目は4月に育休から復帰し、仕事と子育て、そして大学院と“三足の草鞋を履いて奮闘中”だという「フルタイム勤務・子育て中」の在学生です。「2年次になると、自分でペースをつくりながらLFPのプロジェクトを進めていく必要があります。私の場合、家事や育児があるため、帰宅後の夜はまとまった時間を確保するのが難しく、基本的には朝の時間を活用して取り組んでいます。とはいえ、一人でペースを維持し続けるのは簡単ではありません。そこで同期と週に2回、毎週月曜日・木曜日の朝7時から8時までオンラインで相談会を続けています。お互いの進捗を報告し合ったり、困っていることを相談したりすることで、無理なくプロジェクトを進めるための良いリズムがつくれているように思います」と話しました。
【仕事とプライベートとの両立について】
LDCは社会人大学院ではありますが、大学院での学びと仕事とプライベートとの両立は決して容易ではありません。LDC在学生たちからは下記のような注意点が述べられました。
・LDCでの学びにコミットする覚悟と時間をつくり出すための努力と工夫が必要
・職場や家族に理解と協力を求めることが重要
・チームでの取り組みはメンバーとの相談次第
- ミーティング頻度や時間帯、使用ツールなどは、チームによってバラバラ
- LDC授業が忙しい時期は、職場や家族の理解を得て調整することも必要
- 仕事の繁忙期や家庭の都合がある時はLDCの同期にヘルプを出すことも重要!
・個人課題の時間も確保する必要あり
- オンデマンド動画の視聴や課題図書の読み込み、レポート作成などでインプットとアウトプットの往復をすることが学びを深める
・健康管理も重要
◇リーダーシップ開発について
LDCは「人づくり、組織づくり」を学ぶ大学院ということで、人材開発や組織開発に関する理論や研究、実践について学ぶ多彩な授業が行われています。しかし、LDCの学びはそれだけではありません。コース名にもある通り、リーダーシップ開発はLDCの重要なテーマの一つです。LDCで行われているリーダーシップ開発の学びについて1年次の在学生2名が語りました。
●リーダーシップ開発のカリキュラム
LDCではリーダーシップを「メンバー全員が目標を達成するために、一人一人が自分の強みを活かしてチームに貢献する関係性の中で生じる“現象”」として捉えています。フィードバックを重ねながら自分自身を見つめ直し、自らのリーダーシップを開発していくことが、LDCでの学びの大切な柱となっているのです。LDCではリーダーシップ開発をどのように学んでいくのでしょうか。
下図は、LDCのカリキュラムマップですが、赤い枠で囲った部分がチームで取り組む課題が含まれる授業となっています。LDCではチームで取り組む授業はどれも、自分自身のリーダーシップと向き合う機会が多くあります。チームで成果を出していくために、自分はどのような行動を取り、それがチームにどのような影響を与えたのか。個人やグループワークなどを通じてリフレクションを行うほか、メンバー同士、時には耳の痛いフィードバックを受けながら自分自身のリーダーシップを開発していくのです。

LDCでは、リーダーシップ開発について学術的な理解を深めるための授業も行われています。1年次春学期必修の「リーダーシップ開発論」ではリーダーシップ教育およびリーダーシップ開発の基礎的な概念について理解を深めることができます。また、2年次の夏期集中講座の「リーダーシップの理論」では、学術論文を通してリーダーシップ理論について学びながら、実際の課題解決に活かす方法を身につけます。
● リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト(LWP)
1年次の「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト」(LWP)は、チームで協働して課題に取り組みながらリーダーシップ開発をおこなうもので、LDC生が入学後初めて行う実践プロジェクト型の授業です。この授業の最大の特徴は、チーム活動を通じて課題に取り組むだけでなく、そのプロセスの中で自分自身の行動や他者との関わり方を振り返り、自らのリーダーシップ開発を行っていく、というところにあります。

LWPの課題とは、「入学式の日、初めて出会ったばかりのチームメンバー4,5名で、約3か月間の間に学術的視点と実用性を持ったオンライン・ワークショップを完成させ、外部参加者を招いてデリバリーする」という、無理難題です。だからこそ、一人ひとりがチームにどう関わるか、どう貢献するかが、問われることになります。
1年次の在学生の一人は「チームのこと、自分のことを見つめる3か月でした」とLWPを振り返り、「入学当初は自分に自信を持つことができませんでした。アカデミックな知識が豊富な人、リフレクションのスキルが高い人、ITやAIを使いこなしている人など、同期の人たちのレベルが高く、こんなすごい方たちの中で、自分は果たして2年間やって行かれるだろうか、と不安になっていたのです。そのためか、LWPのチームミーティング等でも、自分の意見を言えなかったり、自分から動き出せなかったりするところがありました。その様子を見ていたチームメンバーから『自分の意見もしっかりあるのになぜか自分から動こうとしない』と、フィードバックを受け、はっとしました。確かにこれまでの私は常にリーダーの補佐役のような二番手か三番手のポジションにいることが多かったからです。そこで、『怖いけれども、自分から一歩踏み出してみよう』と行動に移すことができるようになりました。挑戦することは今も怖いのですが、一歩踏み出せば、自分の成長につながることも分かり、それが自分の自信につながっている実感があります」と話しました。
もう一人の一年次在学生は、LDCの魅力について「人材開発や組織開発の専門性を身につけられるだけでなく、自分自身と深く向き合えること」だと語りました。「LDCには、コミュニティの力を借りて、自分自身の強みや弱み、そして課題を明確にしていきつつ、それを乗り越えるべくチャレンジしていかれる機会が多々あります。「自分をよく知り、自分をより良く変えていく。その過程で、自分のことをもっと好きになれる。そんな経験ができるのもLDCの良さだと思います」と話しました。
◇集大成としてのLFP、修了したその先は?
続いて修了生3名がLDCでの学びの集大成となる「リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト」(LFP)について紹介しました。また、修了後のキャリアの変化やLDC修了生のアラムナイ活動についても語りました。
●1年次・2年次のプロジェクトワーク(クライアントワーク)について
LDCでの学びの最大の特長は、授業の中で、企業や非営利団体など実際の組織、リアルクライアント向けに人材開発・組織開発の課題解決に取り組むプロジェクト(クライアントワーク)に取り組むというところです。プロジェクト(クライアントワーク)の機会は2回あります。1回目は、4,5名のチームで取り組む1年次秋学期の「人材開発・組織開発2」で、2回目は個人で取り組む「リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)」です。
この2回のクライアントワーク型のプロジェクト演習では、教室を飛び出し、リアルな現場で人材開発・組織開発のサイクルに沿って人と組織の課題解決に取り組みます。このプロジェクト演習こそが「理論と実践の往還」であり、これまで授業を通して学んできたアカデミックな知見を実際の現場でどう生かせるのか、試行錯誤を重ねながら、実践を通じて学びを深めていきます。

リアルクライアント向けのプロジェクトということで、対象となるクライアント探しは大きな課題ですが、同期や先輩、アラムナイの方々のつながりもあり、これまでクライアントが見つからなかったケースはなかったといいます。
●リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)
2年次に取り組む「リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)」は、LDCでの学びの集大成となるプロジェクト(クライアントワーク)です。LFPでは、個人で約10カ月かけて外部クライアントに対する人材開発・組織開発のサイクルに基づいた課題解決プロジェクトを行い、そのプロジェクト実践を3万字以上の論文形式でまとめた報告書、アカデミック・ペーパーを作成します。このアカデミック・ペーパーを提出することがLDC修了、修士号取得のための要件となっています。

LFPは受験の際に提出した「プロジェクト計画書」をもとに進めることになっています。しかし実際には、入学後にテーマを見直したり、対象とするクライアントを変更したりする在学生が少なくないようです。また自身が所属している組織をクライアントにするケースも多く見られます。
LFPは個人で進めるプロジェクトではありますが、決して孤独に進めるものではありません。月に一度、先生との面談を行うほか、日常的にお互いに情報交換をしたり、みんなで集まって勉強会をしたりと、1年次から続く学びのコミュニティで互いに支えあいながら進めることができます。前年度の修了生は「最後の方は、毎朝6時頃にZOOMをつないで、アカデミック・ペーパーの執筆をしていました。相談をしたり、お互いに読み合ったり、同期で助け合うことでやり遂げることができました」と話しました。
なお、クライアント企業からLFPの取り組みがどう見えているかを記した記事もあります。ご参照ください。
クライアント組織から見たLFP「現場の課題感を起点としたアプローチだったからこそ、解決策までたどり着くことができた」:マルホ株式会社様
クライアント組織から見たLFP「組合が組織として共に進んでいくときの原点になるようなものを残してもらえた」:三菱食品労働組合様
<LFP報告書タイトル(一部掲載)>
●作業療法士のチームリーダーにおけるメンバー育成への自己効力感向上に関する研究―1on1に着目して
●国内中小企業の事業改革における 従業員のワーク・エンゲージメント向上
~ジョブ・クラフティングの手法を用いた介入~
● ITベンチャー企業における事業部長のリーダーシップ行動促進プロセスに関する研究
~エグゼクティブ・コーチングを通じて~
●急性期総合病院リハビリテーション科における指導者によるコーチング行動促進に関する研究
●外資系資産運用会社の営業チームにおけるコミュニケーションの重要性認知について―チーム・プロセスにおける最初の一歩
●国内大手航空業界旅客サービス部のマネジャーの部下育成行動変容に向けたプロジェクト上司と部下の LMX 向上を目指して
●チームにおけるボイス行動の向上を目指した介入 マネジャーのインクルーシブリーダーシップが及ぼす心理的安全性に着目して
●企業法務弁護士による経験学習の実践―リフレクティブサイクルモデルに着目して
●総合病院の初期研修医に対する 研修継続意思向上を目的とした介入プロジェクト
~医師のキャリアクラフティングに着目して~
●小売企業の管理職を対象としたマネジリアル・コーチング研修の効果に関するプロジェクト―メンバーの自己効力感の獲得プロセスに着目して~
●LDC修了後のキャリア
LDCの学びはキャリアにどのような影響を与えているのでしょうか? 2026年3月に修了した5期生は「LDCは卒業で終わるのではなく、そこからリスタートするような感覚で、みんないろいろな活動を始めている」と修了後の活動について話しました。
LDC修了生の中には、修了後にHR部門に異動になった人、組織開発の仕事を任されるようになった人も少なくありません。また、転職して人事職やコンサルタントとして活躍している人、大学の非常勤講師、研修講師、人事コンサルタントなどの副業を始めた人、独立して起業した人などもいて、LDCで学んだことが、それぞれのキャリアに大きな影響を与えていることが分かります。
また、立教大学経営学部ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)の講師を務めている人、LDCの授業やLDC教員のゼミのサポートに携わっている人、他大学からのオファーで講師として教壇に立つようになった人もいます。さらには、博士後期課程に進学し、研究者としての一歩を踏み出した人もいます。登壇した修了生の3人も「立教大学の兼任講師として経営学部で教えています」「中原淳先生とセミナーを企画しました」「研究成果を学会で発表しました」と話し、活動の幅が広がっていることがうかがえます。
●アラムナイ活動
LDCでは、アラムナイ活動も活発に行われています。修了生150名近くが参加しているSlackが活動の基本プラットフォームとなっており、勉強会や読書会、研修会などの案内からお仕事の募集まで、さまざまな情報交換が日常的に行われ、期を超えた交流が盛んに行われています。修了生の一人は「修了後も互いに学び合いながら、研究や実践や交流を深め続けられることがLDCアラムナイの大きな魅力です」と話していました。
また、年に一度は立教大学池袋キャンパスに集まってアラムナイ交流会も行われています。2026年3月に行われたアラムナイ交流会では、自発的にLDCコミュニティのMVVC(Mission、Vision、Value、Credo)が策定されるなど、コミュニティとしての活動も進化を続けています。
そのほかにも、ランニング部をはじめとするサークル活動やLDCアラムナイをゲストに招いてのラジオ番組、様々なオフ会活動も行われており、修了後も様々な形でコミュニティのつながりが生まれているようです。
さらに、修了生同士や講師らと連携・協働し、様々な人材開発、組織開発プロジェクトも本業・副業で次々と生まれています。また、書籍を出版した修了生や、現在、書籍を執筆しているという修了生もおり、多くのアラムナイが「知の生産者たれ」を体現しています。修了生の一人は「LDC修了後もコミュニティの力を活かしながら学び合いを続け、そこで得た学びを社会に対して還元していく。そうした在り様がLDCらしい」と話していました。
◇LDC受験までの道のり
在学生は入学前にどのような準備を行ったのでしょうか?1年次の2人が、それぞれの受験体験を交えながら、受験に必要な準備やスケジュール、受験勉強のポイントについて語りました。
●受験に必要な準備とスケジュール
LDCを受験するにあたって、どのような準備が必要なのでしょうか。在学生の二人は、受験に必要な準備とスケジュールを記した下図を示しながら「LDC受験には大きく分けて①英語試験スコア②プロジェクト計画書③筆記試験④口頭試問という4つの準備が必要となります。この中の英語試験スコアは12月までなので、来年のLDCの受験を少しでも考えている人は、まずは英語試験の受験を急いでください」と強調しました。そのうえで、できるだけ早めに、出願時に提出する「プロジェクト計画書」の作成や、筆記試験のための勉強に取り組むことが重要だと話しました。

●受験決意・勉強開始の時期
では、これまでのLDC生は受験をいつ頃決意したのでしょうか。1年次、2年次の在学生、および修了生82名を対象に行ったアンケート結果によると、半年~2カ月前に決意した、という人が48.8%と最も多く、説明会で受験を決めた人も多かったようです。では、実際に受験勉強を始めたのはいつ頃だったのか?というと、半年~2カ月前が50%、2カ月前~直前が22%となっていて、入学試験合格者の約7割が「入試の半年前から直前まで」の間に受験勉強を始めていたことが分かりました。

●受験体験記
続いて、LDC受験で2度不合格になり、3回目に合格した在学生が、「入学まで1000日かかった」という受験体験談を話しました。
LDCに興味を持ったきっかけは、研修会社で営業として働く中で感じた課題意識でした。クライアントの悩みに向き合うなかで、「研修や人材開発だけでは解決できない課題がある」と感じる場面が増え、人材開発や組織開発についてより深く学びたいと考えるようになったといいます。そうした中、2023年5月にLDCの存在を知り、本格的に受験への準備を始めました。しかし、挑戦は順調には進みませんでした。筆記試験は通過できたものの、口頭試問で2度不合格となり、3回目の受験で合格を果たしました。
本人は「1回目、2回目はプロジェクト計画書の内容が表面的だった」と分析します。特に「誰を助けたいのか」「それは、なぜか」「なぜ既存の手法ではダメなのか」「では、どう介入するのか」といった問いにしっかり向き合うことができていなかったと感じたそうです。3回目の受験では、それらを徹底的に掘り下げ、「自分自身が納得できる言葉で計画書を作り上げたことが合格につながった」と語りました。
また、筆記試験対策としては、理論や概念を整理してすぐに取り出せる状態にしておくとともに、「理論を自分の職場や仕事に置き換えて考えること」を意識したといいます。単に知識として覚えるのではなく、自身の実務との接点を考えながら学ぶことが理解を深める助けになったそうです。また、「たとえ不合格になったとしても、そのプロセス自体が成長につながると信じていた」とも話しました。

最後に、「自分自身も説明会でやはり3回受験したという先輩から『諦めないでほしい』という言葉をもらい、それが自分の支えになった」と振り返りつつ、「誰もが1000日必要というわけではない。同期のほとんどは1回で合格しているので、ぜひ安心して挑戦してほしい」と参加者にエールを送りました。
ここで在学生・修了生パート「在学生&修了生から見たLDC」は終了となり、その後は在学生や修了生にから少人数グループで直接話を聞くことができる「座談会(質疑応答セッション)」が行われました。座談会には、オンライン16名、対面20名の在学生・修了生が参加。参加者はLDCでの学び方や授業内容について具体的な質問をしたり、仕事と学びとの両立やキャリアに関する悩み相談をしたりしながら、LDCへの理解を深めていきました。在学生・修了生の生の声に触れることで、LDCでの学びや学生生活をより具体的にイメージできる機会となったのではないでしょうか。
◇クロージング
○在学生・修了生からのメッセージ

○教員からのメッセージ

みなさま、本日は1日お疲れさまでした。最後に私から1つ、「どんな方がこの大学院に向いているか?」についてお伝えしたいと思います。
LDCでは、2年次にクライアント組織に対して人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の課題解決を行う「リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト」を行い、その成果を「プロジェクト報告書」にまとめたものを修士論文の代わりに提出することになっています。「プロジェクト報告書」提出後は、「最終報告審査会」があり、それぞれ30分ほど教員3人による口頭試問が行われます。その際、全員の方に「LDCでの最大の学びは何でしたか?」という質問をしているのですが、みなさん共通しておっしゃることがあります。それは、「自分が変わった」「自分が変われた」「精神的な弱さと自分と向き合った2年間だったが、想像もしなかった自分に出会えた」といったものです。
人材開発、組織開発というのは、人を変え、組織を変える営みです。自分自身が変われないのなら、人や組織を変える人になることはできません。人材開発、組織開発を為そうとするのであれば、その人自身も変わる覚悟を持つ必要があります。
とはいえ、大きな変化は痛みを伴うものです。だから一人ではなく、信頼できる仲間と学ぶ必要があるのです。LDCがコミュニティづくりに力を入れているのはそのためです。仲間と共に本気でLDCの学びに向き合える方、人や組織を変えたいという思いと同じくらい、自分自身も変わる覚悟を持っている方、自分と仲間の成長にコミットできる方。そんな方に、いらしていただきたいです。来年の4月にまたお会いできることを楽しみにしています。

