7月4日(土)、1年次「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト(LWP)」の最終成果報告会が立教大学池袋キャンパスで行われました。LWPとは、チームで協働して人材開発・組織開発・リーダーシップ開発のオンライン・ワークショップ開発という課題に取り組みつつ、自らのリーダーシップ開発をおこなっていく入学後初めての実践プロジェクト型の授業。最終成果報告会は「LDC最初で最大の山場!?」とも言われています。授業を担当されるのは、中原淳先生と加藤走先生のお二人です。
2026年度のLWPのチーム課題は「2026年、民間企業が抱える管理職・マネージャーにまつわる人材課題を調査し、 ひとつ決めよ!」そして「対象者が90分で受講可能なAIツールを活用したオンライン・ワークショップを開発し、実施せよ!」というものです。1年次生は4つのチームに分かれて、入学直後から3か月に渡ってこの課題に取り組んできました。午前中は、外部から募集した参加者を対象に各チームが開発したオンライン・ワークショップを実施する最終成果報告会を行います。午後は、これまでのチーム活動を振り返るリーダーシップ開発セッションを行います。
9時になり、全員がメイン教室に集合。まずは加藤先生から最終成果報告会の目的と1日の流れの再確認が行われました。続いて、中原先生から「みなさんにお願いしたいのは、『誰一人取り残さないでやりきる』ということです。どんなことが起きるか分かりませんが、チームで助け合ってなんとかやり抜いてください。みなさん緊張なさっているかと思いますが、なにより自分たちが楽しまなければ、参加者も楽しめません。いつもの3倍のテンションでお願いします!」とエールが送られました。


10時より、オンライン・ワークショップがスタート。オンライン・ワークショップのタイトルは「RIKKYOワークショップコレクション2026」。「人材開発・組織開発が学べる大学院LDCの1年次生が開発したオンライン・ワークショップを無料で体験できるイベント」ということで、LDC2年次の在学生・修了生を含む約70名を超える参加者が集まりました。
各チームのワークショップのタイトルは次の通りで、「フィードバック探索行動」「年上部下への対応」「中途採用者の活躍支援」、「静かな退職」など。どのチームも多くの企業が頭を悩ませているであろう人材課題をテーマとして扱っています。
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ワークショップ1: あなたの成長したいという思いが上司との対話を生み出す 〜多忙で時間が取れない上司が最強コーチになるためのヒント〜
ワークショップ2: シニアの力をチームの力に 〜人生100年時代、シニアと関係を築く「声かけのコツ」を学ぼう!〜
ワークショップ3: 前職経験を“現職で活きる力”に変える90分 〜上司が中途採用者のアップデート支援者になる〜
ワークショップ4: 若手部下の心の現在地を知り、「静かな退職」を防ぐ1on1 〜『最近どう?』から一歩先へ〜
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2026年度のLWPが例年とこれまでと大きく異なっているのは、単なるオンライン・ワークショップではなく、「AIツールを活用したオンライン・ワークショップ」の開発が求められていること。各チームとも、ワークショップ内で使えるプロンプトを用意し、フィードバックの質を高めるための壁打ちをAIで行う、AIを用いて部下との対話のシミュレーションをする、AIに対話のログを評価、分析させるなど、ワークショップの中にうまくAIを使った活動を組み込んでいました。社内研修やワークショップなどにおけるAIの活用は、多くの企業がまだ模索している途上です。LWPのオンライン・ワークショップ開発という課題を通して、AIの活用方法を試行錯誤した経験は、後々きっと活きてくるのではないでしょうか。

お昼休憩を挟み、13時25分からは、LWPのもう一つの目的である、自分のリーダーシップを磨き、自ら経験して「リーダーシップ開発」を学ぶための「リーダーシップ開発セッション」です。LWPはチームでオンライン・ワークショップの開発を行って終わり、ではありません。午後からはじっくりと時間をかけて入学時から今日までの3か月に渡るチーム活動を徹底的にリフレクションし、相互フィードバックを通して自らのリーダーシップを徹底的に見つめ直します。
各チームがそれぞれの教室に分かれ、はじまったのは、これまでのチーム活動について振り返り、相互フィードバックを通して自己理解(Self-Awareness)とリーダーとしての自身の在り方(Leader-Identity)を明らかにしていく「ほしぞらリフレクションキャンプ」です。
1人につき30分の時間が設けられ、まずは、自分がどんなフィードバックを得たいのかを宣言。その後、チームメンバー1人ひとりからフィードバックを受け取り、気づいた自分自身の「行動と思考の癖」に名前をつけます。そして、「行動と思考の癖」にどう向き合うべきか、メンバーと共に「作戦会議」し「決意表明」をします。星空の下で焚き火を囲んでゆったりと語り合うイメージで行ってほしい、ということで「ほしぞらリフレクションキャンプ」という名前になっています。
「ジョハリの窓」という有名なフレームワークがあります。自分自身が見た自己と他者から見た自己という異なる視点を組み合わせ、自己理解を深めるものです。「他者から見た自分」を知ることは、自己理解を深めるうえで非常に効果的ですが、大人になると、「他者から見た自分」に関する率直なフィードバックを受け取る機会はなかなかありません。
フィードバックでは、3か月間でのグループ活動の様々な場面を思い浮かべながら、「いつもチーム活動が円滑に進むように、議事進行役を買って出てくれていてありがたかった」「話し合いがまとまらず、議論が停滞している時などにみんなを和ませてくれるような気づかいが嬉しかった」など、チーム活動を通して見えてきたそれぞれの長所やポジティブな側面、感謝が伝えられました。その一方で、「自分の意見に固執してしまう頑固な側面もある気がした」「人との対立を恐れて自分の本音を言えていない感じがした」など、ネガティブな側面についても語られます。
1人につき30分という短い時間でしたが、チームメンバーからのフィードバックを受けながら、それぞれが自分自身の内面と向き合い、「行動と思考の癖」に名前をつけ、「作戦会議」を行いました。
チーム毎のリフレクションが終わった後は、一つの教室に集まって全体の振り返りを行いました。全員が輪になって座り、一人ひとり「私の行動と思考の癖の名前とその理由。今後、どのように付き合っていたいのか。これからのアクションプラン宣言」を伝えます。

参加者は様々な思いを口にしていました。
「できていない自分」が気になってしまい、自己嫌悪することが多かったけれど、チームメンバーから、「できているよ」「こんな点が強みだと思う」というフィードバックをもらえて、自信になった。
「ほんとうはこうしたい」と願っていたことがあったけれど、日々の忙しさを言い訳にして、その気持ちに蓋をしていた。チームメンバーと作戦会議をする中で「少しずつでも、自分のペースでとりくんだらいい」とアドバイスを受けて、はっとした。
「本当は言いたいことがあるのに、言わずに我慢しているように見える」と指摘されて、いつも嫌われることを恐れている自分がいることに気づき、少し胸が痛くなった。
参加者からのアクションプラン宣言のあとは、事務局の駒崎さんと担当教員の加藤先生、中原先生からメッセージがありました。
LDC4期の修了生で、この授業を担当する事務局の駒崎かんなさんは、「私もみなさんのようにLWPを通して思考と行動の癖に気づかされた。しかし、思考と行動の癖は気づいただけでは不十分で、意識していないとなかなか変えられない。周りのサポートも得ながらこの自身の癖に向き合い続けることが大切なことだと思うので、ぜひ今の気持ちを忘れないでいてほしい」と話しました。
加藤先生は、「駒崎さんの言葉通り、思考と行動の癖は意識しないとなかなか変えられるものではありません。加えて、「思考や行動の癖」は、自分と周囲に与えるポジティブな影響にもつながっているはずです。癖を無くそうとする必要はありません。癖のある自分に向き合いながら、自分の癖の使い方、向き合い方を学んでいきましょう。LDCにいる間は、人材開発・組織開発論のプロフェッショナルを目指すコミュニティの中で、繰り返しフィードバックを受けることができます。その度に『自分はどんなリーダーになりたいのか』『自分はどんなリーダーシップ現象を起こしたいのか』と問いかけ、リフレクションをしながら、自分自身について、そして自分とリーダーシップとの関係について再構築していってほしい」と伝えました。
中原先生は、「今日、気づいた思考の癖や行動の癖は、実はみなさん自身がどこかで薄々わかっていたはず。恐らくは、これまでの人生で繰り返してきたパターンであって、今気づいてアクションプランを宣言したところで、すぐに変えられるものではない。だからこそ、再発防止のためにどうするか、どううまく付き合っていくのかを考える必要がある。自分の特性を見極めて、自分の強み、弱みを知ることは、チームの中での自分の活かし方を知ることにつながる。ヴィジョンを描いて具現化するのが得意な人と、細部を丁寧に積み上げることが得意な人が組めば、チーム活動はうまくいく。自分の強み、弱み、そして相手の強み、弱みが分かれば、それができるようになる。まさにそのことを、LDCの2年間を通して学んでほしい」と述べました。
入学式直後のキックオフで初めて出会ったチームメンバーと濃密な学びの詰まった3か月を走り抜けた7期生たち。LDCでの学びはまだまだ続きます。


