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  • 2022.10.05
  • 入試・説明会
  • 2022年9月 リーダーシップ開発コース説明会レポート①[教員パート]

2022年9月17日(土)、大学院経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)の説明会をオンラインにて開催しました。多くの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。


説明会前半の「教員パート」では、経営学研究科の教員がコースの特色や入試制度について説明を行い、続く「在学生・修了生パート」では、1年生、2年生及び修了生の在学生10名が、LDCの学びについて、受験勉強から在学中の生活、授業内容、修了後の活動まで詳しく紹介。終了後は参加者からの質問に直接答えるQ&Aの時間が設けられました。入学を検討されている方にとっては、LDCの受験準備から修了後までを知ることができる貴重な機会となったのではないでしょうか。


今回の説明会にご参加いただけなかった方にもLDCへの理解を深めていただけるよう、説明会レポートを「教員パート」「在学生・修了生パート」「Q&Aパート」の3回に渡ってお届けいたします。
※ 「在学生・修了生パート」 はこちら、「Q&Aパート」はこちら


説明会は、以下の流れで開催されました。

◇経営学研究科委員長からの挨拶
◇ようこそリーダーシップ開発コースへ
◇コースのミッション/入試について
◇コース在学生・修了生の声(後日公開予定の記事にてお伝えします)
◇クロージングメッセージ
◇Q&Aタイム(後日公開予定の記事にてお伝えします)

※当記事の記載内容は2021年度、2022年度のコース運営に基づいています





◇経営学研究科委員長からの挨拶

オンライン説明会は経営学研究科委員長である山口和範教授の挨拶から始まりました。


みなさま、本日はご参加ありがとうございます。私からは本コースの設立の経緯からお話したいと思います。立教大学にリーダーシップ開発コース(LDC:Leadership Development Course)が開講したのは、2020年4月のこと。本年で3年目を迎えたまだまだ新しいコースとなります。ですが、立教大学において人、組織の研究が始まったのは、60年以上前にさかのぼります。1958年に社会学部がつくられ、その翌年の1959年に雇用者と雇用主の関係について研究を行う目的で産業関係研究所が設立されています。さらに1960年には、産業関係学科ができています。私自身、最初に着任した研究科は、社会学部の産業関係学科でした。その後、2006年に経営学部がスタート。同時に経営学部生全員を対象としたリーダーシップ開発プログラムであるビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)が始まりました。BLPはリーダーシップ教育の先進事例として注目を集めるようになりましたが、こうしたリーダーシップ開発の形を社会に広げていくためには、リーダーシップ開発ができる人材を育成する必要があるのではないか、という問題意識から、経営学研究科に社会人を対象にした大学院を開設することとなりました。


コース開設にあたっては、パーソルグループから人的、経済的な支援をいただけることとなり、2020年に開講、幸いなことに本年3月に第1期の修了生を出すことができました。現在もパーソルグループからのご支援をいただきつつ、毎年20名程度の新入生を受け入れています。


LDCの特徴は、経営学(修士)の学位をオンラインのみで取得できるコースということなのですが、実は2020年4月のコース開講直前まで、対面でのコース提供を予定していました。しかし、コロナ禍により対面授業ができなくなったため、急遽、対面の代替としてオンラインコースがはじまりました。その後、1年間オンラインでのコース提供を続ける中で、対面と比べても十分な学習効果が得られていることを確認し、金曜夜、土曜日に開講する社会人大学院としては、オンラインの方が社会人の皆さんにとってだけでなく、遠方にお住まいで通学が難しい方にとってもメリットが大きいと考え、2021年からはオンラインのみで受講できるコースとしました。もちろん、対面授業の重要性も認識しており、対面とオンラインでのハイフレックス授業も行っておりますし、キャンパスの利用や図書館などリアルの学校施設の利用も可能です。ただ、LDCはオンラインで全国どこにいる方にも学びの機会を提供していきたい、との思いから、修士の学位をオンラインのみでも取れるコース設計としています。


本コースの入学を希望される方に、お願いしたいことが一つあります。それは、決して受け身ではなく『共に学びあう』ということを強く意識して来ていただきたい、ということです。LDCはみなさん全員の手でつくる学びの場です。みなさんの積極的な参加を研究科委員長として期待しています」





◇ようこそリーダーシップ開発コースへ


続いて、経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース主査 中原 淳教授がLDCの理念について話しました。


「ようこそ!本日は説明会にお越しいただき、ありがとうございます。まずはみなさんに、LDCの理念、特徴として、最も重要なことをお伝えしたいと思います。


私が伝えたい最も重要なことは、『リーダーシップ開発コースはMBAではない』ということです。経営学の大学院ということで、MBA(Master of Business Administration)と混同されがちなLDCですが、むしろ『MBAであることを積極的に拒否している』と言っても過言ではありません。


MBAといえば、フルタイム、オンキャンパスで行われ、仕事を一旦休職、退職して学ぶものが一般的ですが、LDCは主に金曜夜と土曜日にオンラインで行われ、ほとんどの方が仕事を続けながら学んでいます。また、MBAはビジネスのジェネラリスト育成を目的としているため、経営学を広く網羅的に学ぶものが多く、人と組織の科目はもし30科目あったとしてもその中の2~5科目程度です。一方、LDCは人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の高度プロフェッショナル人材の育成を目的とし、より専門に特化した内容を学ぶプログラムとなっています。さらに、学び方も異なります。MBAでは大規模な階段型教室に集まり、ケースを用いて議論する、といった授業形式ですが、LDCではオンラインで家にいながら議論やグループワークを行うなど双方向型の授業を受けることができます。また、仮想ケースを扱うのではなく、リアルなビジネス課題解決を実際に行うところまでがカリキュラムに含まれています。


もちろん、MBAでビジネス、経営学を学ぶことの意義を否定するものではありません。ですが、現場の第一線で働く社会人であるみなさんは、『ビジネス知識をKnowしたい』のではなく『ビジネスをDoできるようになりたい』のではないでしょうか?また、仕事を辞めてフルタイムで大学院に通って、果たして経済的に『Payするのだろうか?』という不安もおありになると思います。


私は、ビジネスパーソンが学ぶ真の目的は、ビジネス上の課題解決ができるようになることではないかと考えます。また、ビジネス上の課題が複雑化している今は、専門人材がコラボレーションしあって課題解決していく時代です。そこでは、ジェネラリストではなく、専門に特化した高度プロフェッショナルが求められています。そうであるとすれば、実践的でかつ専門に特化した社会人大学院が求められているのではないでしょうか。


昨今では、人的資本経営、ジョブ型雇用など、企業経営において重視すべきテーマとして人と組織の問題に注目が集まっています。人と組織が企業の競争優位になる今の時代に求められているのは、人と組織の課題解決ができる専門家です。LDCは積極的に非MBA宣言をし、人と組織にフォーカスして学び、人と組織の課題解決ができる高度プロフェッショナルを育成することを目的とした社会人大学院を目指しています。まずは、このことをしっかりとご理解ください」


続いて、中原教授はLDCの特長を3つ挙げ、次のように話しました。


1.人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の高度プロフェッショナル人材を育成
「授業の3分の2以上が『人と組織』に関わる内容です。もちろん経営学を基盤にしていますので、経営学もしっかりと学びますので、経営学修士をお出ししています」


2.オンライン学習によるカリキュラム提供によりDx時代の人材開発・組織開発を牽引
「オンラインですが、しっかりと双方向で学ぶことができ、これからの時代に求められるオンラインで人材開発、組織開発を提供するスキルが身につきます」


3.クライアントへのプロジェクト実施を修了要件とし、アカデミック・プラクティショナーを養成
「研究大学院では修士論文を書きますが、LDCでは自身でクライアントを見つけて、クライアントへの組織開発、人材開発のプロジェクトを実施し、プロジェクト報告書にまとめるところまでが修了の要件です。知識だけでなく、実際にビジネスに活きる実践力を身につけることができます」



その後、「LDCについての疑問、学ぶうえでの不安」に対して中原教授が答えました。


「どんな人が学んでいるのか?馴染めるかどうか心配」
・全ての授業はほぼ必修であるため、20名ほどの同期は「クラスメイト」として、共に学び合う同志となり、孤独に陥ることがない。
・社会人大学院は一般的に年齢の高い男性が集まる傾向が強いが、LDCの在学生は職種や業種、男女比率、年代、居住地など多様な人が学んでいる。



「経営学を学んだことが無く、授業についていかれるか心配」
・経営学のバックグラウンドがある方が望ましいが、在学生の7割が経営学以外の出身。経営学を全く学んだことが無い人でも理解できる。
・必修科目中心のカリキュラムが組まれていることにより、経営学を体系的に学べるようになっている。


「英語が苦手で、英語の論文が読めるかどうか不安」
・英語の論文を読む機会があるため、英語はできる方が望ましいが、最近では優れた翻訳ソフトなどもあり、英語力が問題になることはない。英語力よりも学びへのパッションが重要。


「オンラインできちんと学べるのか心配」
・オンラインでの学習効果は対面授業と変わらないか、むしろオンラインの方が高いという研究結果も多数出ている。
・オンラインでのコース提供により、遠隔地からも通える、通学時間が節約できるなど、メリットの方がはるかに大きい。


「仕事にどのようなメリットがあるのか?」
・LDCではビジネスに役立つ実践的な知識、スキルを学ぶことができるため、学んだことを実際の仕事、業務に活かすことができる。修了生アンケート結果でもそれが表れている。
・実際に起業や転職など、キャリアアップ、キャリアチェンジに成功した在学生、修了生も多い。
・転職のチャンスも用意されている。修了後もアラムナイネットワークを通して、企業から直接オファーが届く仕組みを持っており、現在も多数のオファーを受けている。



最後に、LDCのヴィジョンにとして下記の言葉を紹介しました。


私たちは夢見ています…LDC修了生の多くが、各事業会社で、人材開発・組織開発のプロフェッショナルとして働いている未来を!
LDC修了生の多くが、人事・組織などのコンサルティングファームを動かし、高度な課題解決を行っている様子を!
LDCの修了生の何名かが、大学や大学院などで教鞭をとり、人材開発・組織開発を教えている未来を!
資源のもたないこの国ニッポンの「人材」をより高度にするお手伝いを、LDCの全メンバーが取り組んでいる様子を!
日本を「人材立国」へ!
あなたもLDCにジョインしませんか?


そして、「人生100年時代です。このヴィジョンに共感してくださる方はぜひ、日本で唯一の経営学を基盤にしながら人材開発・組織開発・リーダーシップ開発が学び、現場にインパクトを与えられる人材を育成する大学院、LDCへいらしてください。お待ちしています」と、話を終えました。





◇コースのミッションと特徴/入試について


続いて立教大学の統括副総長でもある石川 淳教授がコースのミッションと特徴、そして入試についての説明を行いました。


「LDCのミッションは『豊かな経営学知識に基づいた次世代のリーダーシップ開発の促進』です。これを言い換えると豊かな経営学知識に基づいたリーダーシップ開発、人材開発、組織開発、実際に推進することができる高度専門職人材を育成する、ということになります。私からは、なぜこのコースが立教大学にあるのか、このコースが立教大学にある意義について少しだけお話させてください。


LDCが立教大学にある理由の1つめは、立教大学の建学の精神にマッチしているから、です。立教大学はキリスト教系の大学であり、リベラルアーツ教育を掲げています。リベラルアーツとは一般教養などと訳されますが、もともとは中世ヨーロッパで教養課程とされた、文法、修辞学、弁証法、および算術、幾何、天文学、音楽の7科目指す言葉です。これらは『自由な市民になるための術』だと考えられていました。一言で自由といっても、権力からの自由、勝手気ままにふるまう自由など様々な意味がありますが、我々の考える自由とは、カント哲学における自由、世の因果律から離れた自由を意味しています。自分の中にある偏見、差別意識、あるいは欲望に負けてしまう弱い心から自由になり、自由意志を持って他者のため、正義のため、社会のためにリーダーシップを発揮できる人を育成することが、我々の目指すところであり、立教大学の理念と重なるところなのです。


もう亡くなってしまいましたが、歌舞伎役者の18代目中村勘三郎は『型破りって言うのは型があるから型破り。型があるから型破りが出来る。型が無ければそれは単なる形無しなんだ』という言葉と残しています。『まずは型が大切』というわけですが、本学でも同じように考えています。リベラルアーツを学ぶということは、社会人が自由に活躍するための『型』を身に着けるということに他なりません。そして、現代に生きる我々が身に着けるべきリベラルアーツの一つが『リーダーシップ』である、と本学では考え、リーダーシップ教育に力を入れています。


LDCが立教大学にある理由2つめは、先ほど、山口先生がお話になっていた通り、これまでの研究、教育の積み重ねがある、ということです。2006年にリーダーシップ研究所が設立されて以降、立教大学では様々な研究がなされてきました。また、その前身である産業研究所には50年以上の研究の積み重ねがあります。さらに、立教大学経営学部では2006年からビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)というリーダーシップ教育のカリキュラムが行われてきており、企業や文科省からも高い評価を獲得しているなど、質の高い教育実践を積み重ねてきた経緯もあります。


以上のような理由で、立教大学では、リーダーシップ開発・組織開発・人材開発を実践できる人材を育成するLDCは、この領域の先頭を走っているコースということができます」


続いて、出願資格、入試日程、選考方法、事前準備など2022年度入試についての説明がありました。詳細については、本文の最下部をご参照ください。





◇コース在学生・修了生の声


ここで、LDCで学んでいる在学生のうち1年生4名、2年生3名、修了生3名の計10名が、LDCでの学びについてプレゼンテーションを行いました。このパートの様子は、後日公開予定の2022年9月リーダーシップ開発コース説明会レポート② 在学生・修了生の声をご覧ください。





◇クロージングメッセージ
最後に、経営学研究科の各担当教員から次のようなクロージングメッセージがありました。


山口和範教授「本日はたくさんの方にご参加いただき、ありがとうございました。在学生・修了生パートでは、本コースの学びがどのようなものであるか、その特徴や雰囲気などを存分に伝えることができたのではないかと思います。入学を希望されているみなさまには、このコースを、自分が入ることによって、さらにいいものにしていこう、といった意気込みを持って臨んでいただけたらと思います。本コースには、情熱を持った人たちが集まっています。みなさん、自分たちのためだけでなく、LDCをより良いものにしよう、さらには世の中を良くしていくといった意気込みをもってこのプログラムに参加してくださっています。我々もみなさまのために全力を尽くして臨んでおりますので、ぜひそうした思いを持った方にチャレンジしていただき、4月に4期生としてお迎えできることを楽しみにしております」


中原淳教授「本日はありがとうございました。在学生・修了生のみなさんがLDCの魅力や特徴、世界観を体現し、それを伝えてくださったこと、大変嬉しく思っています。我々が何を語るよりも、実際にLDCで学んでいる皆さんの姿が、LDCに興味を持って集まってくださった方々に向けての最大のメッセ―ジとなっていたように思います。LDCは少数精鋭でしっかり学び、実践できるようになる大学院を目指しています。なぜなら、LDCで学ぶみなさまには、理論やスキルといった実践の場で戦える武器をしっかりと身に着けていただき、ぜひ現場での実践を通して、社会に還元していただきたいと考えているからです。日本を人材立国、学習大国にする、という志のもと、ひとつ、この世直しに参加していただけないでしょうか。来年、みなさんと一緒に学べることを楽しみにしています」





◇Q&A


閉会後、説明会参加者から寄せられた質問に教員や在学生が答えるQ&Aセッションが行われました。
このパートの内容については、後日公開予定の2021年9月リーダーシップ開発コース説明会レポート② 在学生の声の後半部をご覧ください。





【2023年度入試について】
立教大学 大学院入試の情報は、「各研究科の実施区分、出願資格、入試日程、受験資格など(2023年度入試)」よりご覧いただけます。本コースの情報は「経営学 – 社会人(春季実施)」および 「経営学(前期) – 経営学(MB) – 社会人」の項目を参照してください。
※出願手続き等の詳細が記載されている入試要項は10月下旬~11月上旬にかけて公開予定です。
新型コロナウイルス感染症の影響により、入試要項の公開が例年より遅れる場合があります。


◆出願資格
・博士課程前期課程の出願資格要件を満たし、かつ、大学卒業後、出願時に学校・官公庁・団体・企業などで、常勤職員として1年以上の勤務経験を有する者。
※各研究科共通の出願資格もあります。詳細はWebページに公開されている資料をご確認ください


◆今後のスケジュール
入試要項公開 10月下旬~11月上旬
出願受付期間 1月6日(金)~1月19日(木)
筆記試験 2月19日(日):オンラインで実施
口頭試問 2月23日(木):オンラインで実施
合格発表 3月1日(水)


◆選考方法
・書類審査(出願書類の一例)
:プロジェクト計画書(2年次の1年間で企画・遂行する人材開発・組織開発・リーダーシップ開発プロジェクトの計画案等を執筆し提出していただきます)
:英語資格・検定試験の成績証明書:次年度の入試では、以下のいずれかのを成績証明書を提出していただきます。なお、提出できるスコアは出願期間の最終日(2023年1月19日)から遡って過去 2 年以内の試験で取得したものを有効とします。TOEFL iBT®Test、TOEIC® Listening and Reading Test、IELTS(Academic Module)
・専門論文(オンライン実施)
・口頭試問(オンライン実施)
※書類審査および筆記試験により「口頭試問」対象者を限定する


◆事前の準備
・専門論文では関連領域の専門知識を問う問題が出題されます
・入試の過去問題を本学入学センターに請求いただくことが可能です。
   立教大学入学センター過去問題請求フォーム
・詳しくは、本コースWebページ[よくいただく質問]-[入試について]をご確認ください

※新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、入試日程や入試方法等を変更する場合があります。詳細は必ず入試要項を確認してください。