
LDC4期修了生 齋藤 栄大さん(外資系資産運用会社・クライアントサービス部)
立教大学経営学部リーダーシップ開発コース(LDC)は、人づくり、組織づくりのプロフェッショナルを育成するオンラインで学べる社会人大学院です。LDCでの学びは、現在の仕事やキャリアにどう活かされているのでしょうか。LDC修了後に転職し、新たなキャリアに挑戦なさっているLDC4期修了生、齋藤 栄大さん(外資系資産運用会社勤務)にお話を伺いました。
―齋藤さんは、LDC修了後1年が経過したところですね。現在、どんなお仕事をなさっているのか教えてください。
齋藤さん 外資系の資産運用会社に勤務しています。我々の仕事は、年金基金や金融機関といった機関投資家の方々からお預かりした資金を、株式や債券などで運用し、リターンをお返しすることです。その中で私はクライアントサービス部に所属しており、日々の運用状況のモニタリングや運用の成果報告など、お客様への対応を行っています。実は、LDC修了後、半年ほどで今の会社に転職しました。日本の拠点にいるのは30名ほどと比較的小規模な組織なのですが、前職の経験も活かしながら、この会社における「クライアントサービス」の役割を再定義し、新しいチームを創り上げていく、というミッションに魅力を感じて転職を決めました。
―「クライアントサービスの役割を再定義する」とは、具体的にどのようなことでしょうか。
齋藤さん 資産運用の知識を活かして、日々の資金の動きから運用ガイドラインなどの専門的な情報まで、幅広く、かつそれぞれのお客様に合ったサービスを提供するのが、クライアントサービスです。ただ、クライアントサービスと一言で言っても会社毎に定義も役割も少しずつ違います。私自身は、人事という立場ではなく、ビジネスの中にいる立場として、チームメンバー一人ひとりの個性、能力を引き出し、私たちならではの価値をチームで提供したいと考え、今チャレンジしているところです。
―転職はLDCで学んだことと関係していますか?
齋藤さん はい。もちろんこれまでの金融業界でのキャリアの積み上げという部分もありますが、LDCで学んだことを活かしたいという思いも転職を考えるきっかけになりました。私は2年次のリーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)で、個々の裁量で動くことが多い営業組織において、どのように対話を促し、チームとして機能させるか、というテーマに取り組みました。そこで、対話によってメンバーそれぞれの持ち味や能力をオープンにして共有していくような試みを行ったのですが、このLFPを通して、比較的小さな規模で、ゼロベースでチームを作り上げていくことに面白さを感じたのが、転職を考える一つのきっかけとなりました。
―齋藤さんは、もともとチーム作りやマネジメントに関心があったのですか?
齋藤さん いいえ、正直なところ、以前はそれほど興味を持っていませんでした。「自分のやるべきことをやり、成果を出すことが大事」という意識が強かったです。LDCに入った理由も他のみなさんとは全く異なるものでした。私には、人事の経験も、人材開発や組織開発のコンサルタント経験もありません。前職の時に、上司から「そろそろ個人のスキルアップだけでなく、人をマネジメントする立場として力を発揮してほしい」と言われ、偶然手に取ったのが、LDCで教鞭をとられている中原淳先生がお書きになった『駆け出しマネジャーの成長論』でした。その本を読み、「マネジメントという実務も、こんな風に理論的な側面から捉えることができるし、理論と実践を往還しながら考えることができるものなのだ」ということを知りました。そこから、ビジネスユニットの中でどうチームを作るのか、マネジメントとは何か?リーダーとは何か?といったことを突き詰めたい、という思いが強まり、LDCに入学したのです。
―LDCの学びを通じて、齋藤さんのマネジメントスタイルに変化はありましたか?
齋藤さん 以前の私は、正直に言うと「自分の仕事さえやっていればいい」と考えているような、少し冷たい人間だったと思います。ですが、LDCの同期や先輩、後輩のみなさんとの関わりの中で、自分以外の他者の視点を持つことができるようになりました。そこは自分の中でも大きな変化だったと思っています。以前は意見が合わないと「この人は話を聞いてくれない」と切り捨ててしまいがちでしたが、今は相手の意見の背景を丁寧に探ったうえで、自分の主観と相手の主観のどこに共通項があるのかを考えるようになりました。
―以前はそのあたりに苦手意識があったのでしょうか?
齋藤さん 超苦手でしたね。LDCで学び、マネジャーとして知っておかなければならないことがたくさんあると気づかされました。以前の自分は、必要最低限の事務連絡だけで、ざっくばらんに話すミーティングなどはしていませんでしたが、今は“氷山の下”の部分を意識して、自分からも話しかけに行きますし、定期的に時間を取って1on1をするなど、話す場を設けるようにしています。
―マネジメントをする上でどんなことを大事にしていますか?
齋藤さん 大事にしているのは、メンバーの課題を「自分ごと」として考える、ということです。そのために、実際にメンバーの仕事の一部を引き受けてみる、といったことをしています。そうすると「自分ごと」になって理解が深まるし、相手も心を開いて、より多くのことを話してくれたりするからです。といっても、実際は悪戦苦闘の日々ですが。ただ最近は、以前よりもチームの雰囲気が明るくなってきている感じがあって、良い方向に向かっていくといいなと思っています。
―LDC修了後、アルムナイでの活動はいかがですか?
齋藤さん LDCは修了後も毎月のように読書会や勉強会、イベントがあり、来週もちょっと集まって飲み会をやる予定です。修了したら終わりではなく、大切な仲間とのつながりも学びも継続していくので、自分をアップデートしていかれるのが嬉しいところです。
―齋藤さんがこれからやっていきたいことなどはありますか?
齋藤さん 人材開発や組織開発を、ビジネスパーソンにとって、もっと身近なものにしていきたいと思っていて、そうした発信活動をやっていきたいです。以前の私のように闇雲にマネジャーをなさっている方は結構いらっしゃるだろうと思うからです。同期が2025年に始めた「半径5mの組織開発フェス」というイベントがあるのですが、2026年も秋に開催する予定で、私はチームづくりやメンバー育成に悩むビジネスパーソン向けのワークショップを企画する予定です。草の根レベルでも、人材開発、組織開発の裾野を広げていくお手伝いをしていきたいし、そのためにもアルムナイコミュニティを大事にしていきたいです。

