10月26日(土)は1、2時限に1年次「人材開発・組織開発論2」の中間成果報告会が、3、4時限には1年次「データアナリティクス演習(以下、DA演習)」の授業が、赤レンガ造りの校舎に絡まるツタが色づき始めた立教大学池袋キャンパスにて行われました。
「人材開発・組織開発論2」を担当するのは中原淳先生、藤澤広美先生、そして田中聡先生です。この授業では、リアルなクライアントを対象にグループで人材開発や組織開発のコンサルティングを実施することで、クライアントワークの要諦を学びます。在学生は、グループごとにクライアント企業を見つけ出し、コンサルティング契約を締結。その後、キーマンとの連携を通じて組織の課題を特定し、人材開発や組織開発の働きかけを行います。最後にその成果を評価するまで、9月からおよそ4カ月間で行われます。
中原先生の挨拶に続き、藤澤先生からグループプレゼンの進行ルールや手順について説明があり、発表が始まります。中間成果報告会では、4つのグループがそれぞれプレゼンを実施。各グループは15分間でプロジェクトの概要を発表し、その後15分間はフィードバックと質疑応答の時間が設けられました。
今回支援対象となったクライアント組織は、中小企業やベンチャー企業、自治体、一般社団法人など多岐にわたります。中間成果報告会では、各組織のキーマンへのヒアリングを基に、定量データと定性データを収集し、組織課題や解決の鍵となる要因を明確化していきました。中原先生は、各グループの発表内容を聞きながら、教壇横のホワイトボードに要点を整理していきます。発表後には、他のグループからの質問やフィードバックを受けながら、「課題設定が適切か」、「解決策の鍵はどこにあるか」、「どのように介入を効果的に進めるべきか」といった点について議論が行われました。11月以降、各グループはクライアント組織への本格的な介入を開始します。それぞれの取り組みが、経営や現場にどのような影響をもたらすのか、今後の展開が期待されます。
授業の締めくくりとして、振り返りの時間が設けられました。「できた部分とできなかった部分がはっきりしたので、計画を見直したい」、「不明だった点が解消され、方向性が明確になった」、「他グループの進め方を知り、良い参考になった」といった声が聞かれ、プロジェクトをさらにブラッシュアップする良い機会となったようです。
昼休憩を挟んだ後の3、4時限では、「DA演習」の対面授業が行われました。山口和範先生、廣川佳子先生、田中聡先生が担当しています。
「DA演習」は、人材開発や組織開発、リーダーシップ開発に必要な人・組織に関わる調査の実施・分析、評価・効果検証に不可欠な基本概念を深く理解することを目的とした授業です。この授業では、統計分析の知識を学ぶだけでなく、調査の計画から実施、さらに分析までを通じて、「統計」、「調査」、「分析」の実践的なスキルを身につけることを重視しています。
LDCの学生は修了するまで、統計解析ソフトSPSSを利用することが可能です。この授業では、統計学の基礎知識とSPSSの活用方法を同時に学びながら、実際にデータを用いた分析に取り組みます。さらに、今期からはChatGPTを活用したデータ分析手法も授業に取り入れられています。
最後に、田中先生から次回以降の授業内容についての説明がありました。この授業では、学んだ知識が「人材開発・組織開発論2」でのリアルクライアントへの介入効果の分析に活かせるよう、他の授業と連携しながら進められています。次回は、「人材開発・組織開発論2」で関わるクライアント組織を対象に、定量調査をテーマとした組織調査や分析手法を学んでいきます。LDCの学びはまだまだ続きます。