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  • 2023.10.31
  • 入試・説明会
  • 2023年9月 リーダーシップ開発コース説明会レポート② [在学生・修了生パート]

2023年9月16日(土)、大学院経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)の説明会を初のオンライン&オフラインミックスのハイフレックス形式にて開催しました。暑い中、池袋キャンパスに集まってくださったみなさま、日本全国さらには海外からもオンラインで参加してくださったみなさま、誠にありがとうございました。


説明会前半の「教職員パート」では、教職員がコースの特色や入試制度について説明を行い、続く「在学生・修了生パート」では、1年次、2年次の在学生及び修了生が、LDCの学びについて、受験勉強から在学中の生活、授業内容、修了後の活動までをリアルな声を交えて紹介しました。


その後はいくつかの教室、オンラインではブレイクアウトルームに分かれ、在学生、修了生が参加者からの個別質問に直接答える相談会が行われました。入学を検討されている方にとっては、LDCの教職員、在学生、修了生から直接話を聞くことができる貴重な機会となったのではないでしょうか。


本レポートでは、当日ご参加いただけなかった方にも、当コースの理解を深めていただけるよう、説明会レポートを「教職員パート」「在学生・修了生パート」「個別相談会パート」の3回に渡ってお届けいたします。




<在学生・修了生パート「在学生&修了生から見たLDC」の流れ>

◇入学前
 ●受験を決意したタイミング、受験理由、受験勉強
◇在学中
 ●年間、週間のスケジュール
 ●1年次の半期の振り返り、学びから実践へ
 ●プロジェクト(クライアントワーク)について
◇修了後
 ●個人としてのキャリア
 ●LDC修了生としての活動




◇在学生・修了生パート「在学生&修了生から見たLDC」


LDCについて知りたければ、在学生・修了生に聞くのが一番!というわけで、在学生・修了生パートでは、1年次7名、2年次3名とLDC修了生5名の計15名がスピーカーとなって「在学生&修了生から見たLDC」というテーマでプレゼンが行われ、LDC入学前から修了後まで「LDCのリアル」を伝えました。


「LDCでは、グループワークも多く、チーム内ではフラットに話し合える環境づくりのため、お互いをニックネームで呼び合う文化があります」とのことで、プレゼン冒頭から全員がニックネームで自己紹介。大学院とは思えない和やかな雰囲気が伝わってきます。ここからはプレゼン内容をダイジェストでお伝えしていきます。




◇入学前

【受験を決めたのはいつ?】
在学生は受験をいつ頃決意したのでしょうか。またその動機はどのようなものだったのでしょうか?1年次、2年次の在学生28名を対象に行ったアンケート結果によると、半年から2カ月前に決意した、という人が半数を占めており、昨年の説明会で受験を決めた人も多かったようです。また、前年の受験で不合格だったため、リベンジしたという人もいました。



【受験を決めた理由は?】
受験を決めた理由は、「人材開発・組織開発について体系的に学ぶことができる唯一の大学院である」「実践知だけではなく、再現性のあるアカデミックな知見を手に入れたいと感じた」などといったものがありました。
スピーカーである一年次の在学生は「人や組織の課題解決をやっているなかでは、どうしても経営の課題にぶつかってしまう。『経営視点が欠けている』といった指摘を受けることもあり、経営視点と乖離しない組織開発を学びたいと思ってLDCを志望した」と話していました。



【受験勉強を始めたのはいつ?】
では、実際に受験勉強を始めたのはいつ頃だったのか?というと、半年~2カ月前が39.3%、2カ月前~直前が28.6%となっていて、在学生の約7割が「入試の半年前から直前まで」の間に受験勉強を始めていたことが分かりました。「ただ、早いにこしたことはありません。この説明会で受験を決めた方は、ぜひ今日から勉強を始めてください」というのが在学生からのリアルなアドバイスでした。



【筆記試験対策】
筆記試験に向けてどのように受験勉強したのかについては、多くの人の回答を総合したところ、「推薦書籍や関連書籍を読み、人材・組織開発の理論・用語を調べる」といった「インプット」と「要点をノートやメモに書き出してまとめる、過去問を解く、学んだ内容をSNSで発信する、週に1冊推薦書籍を読む勉強会を開催する」などの「アウトプット」を組み合わせた学習法が効果的、とのことでした。



【プロジェクト計画書はどのように書いた?】
LDCに出願するにあたって壁となるのが、入学後、実際にクライアント組織に介入し課題解決を行うプロジェクトについて記載する「プロジェクト計画書」です。スピーカーのお一人は、「自分で書いていると、なにがなんだか分からなくなってきてしまうので、周囲の方に読んでもらって、フィードバックをもらえるようにするといいかと思います」と話していました。



【英語対策】
LDCに出願するにあたっては、TOEFLやTOEIC、IELTSなどの英語資格・検定試験の成績証明書も求められます。出願資格となるスコアが設定されているわけではないため、どの程度の英語力が求められるかが不安なところですが、スピーカーの一人は「私は英語が苦手で、対策しなくてはと焦っていたのですが、ちょうど出産と重なっていたこともあり、試験を受けるのがギリギリのタイミングになってしまいました。成績証明書が郵送されるまで時間がかかる場合もあるので、とにかく出願に間に合うよう、早めに受験されることをお勧めします」と話していました。


そのほかにも受験勉強に関してのアドバイスとして、
●推薦書籍は量もあるので、早めに読んでおけば良かった。授業で必要な知識でもあるので、できる時にできるだけ本を読んだりして自分のモノにしておくことをお勧めする。
●当日の筆記試験は時間との戦い。短時間で多くの文字を入力する必要があるので、普段キーボードを打ち慣れていない方は対策しておいた方がいい。
●本を読んで内容をただ要約するだけではなく、自分の体験と結びつけて解釈したり、自身の考えを 考察しながらまとめると良かった。入学後の授業 でも役立つ。
●英語対策は早めに終わらせて、筆記試験やプロジェクト計画書の対策に力を入れることが大切。
●勉強と同じくらい、入学の動機、目的、なぜLDC なのか、自分の軸を整理することも大事。
●受験を決めたらとにかく早く本を購入して勉強を はじめること!もう少しゆとりを持って準備をしたかった。

といったものがありました。




◇在学中

【年間スケジュール】
入学後はどのような日々が待っているのでしょうか。LDCのカリキュラムはほとんどが必修の授業で構成されています。下記は今年度の年間スケジュールを授業形態別に色分けしたものです。このように見ていくと、1年次の方が授業数も多く、特にグループワークでおこなう「チーム演習」が多いこと、2年次には修士論文にあたるリーダーシップ・ファイナル・プロジェクトが中心となり「個人演習」が多くなっているということが分かります。



【1週間の過ごし方・時間のやりくり】
LDC生のほとんどが仕事をしながら学んでいます。仕事や家庭との両立はどのようにしているのでしょうか。


下記はスピーカーである1年次の在学生が「この半年間で最も忙しかった」という1週間のタイムテーブルです。「授業日は金曜、土曜日ですが、土曜日に、この週はリーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト(LWP)の中間発表が予定されていたため、時間を取ってじっくりと議論を重ねる必要がありました。このチームには育児などのため、夜に時間が取りにくい人が多く、またリモートワークの人も多かったので、平日の早朝に時間を取って、チームミーティングを行っていました


一方、チーム内で話し合って、下記のようにミーティングは夜21時~24時までと決めて活動を行っていたチームもあります。夜型チームだったという在学生は、「この週は、土曜日に、戦略的人的資源管理(LWP)の対面授業が行われ、夜には懇親会も行われました。翌日の日曜午前中には有志による読書会、午後に資料作成、夜にはチームミーティングもあり、プライベートの時間はほぼLDCでした」と話していました。


とはいえ、これらは「最も忙しかった1週間」であり、「毎週のようにこのような状況が続くわけではない」ということですが、授業日以外も、自習やレポート作成、資料作成、チームミーティングなどに多くの時間を割く必要がある、ということは確かなようです。「正直、プライベートのほとんどは大学院になる」とのことですが、果たして、どのようにして時間のやりくりをしていたのでしょうか。


「チーム演習」に関しては、
●忙しい時期は率直に他のメンバーに話し、助けを求める。
●仕事やプライベート(家族)の状況など、差し支えない範囲で自己開示しておく
●メンバーの活動時間やミーティングの進め方など、ルールを合意しておく
「個人演習」「個人課題」に関しては、
●個人課題の時間もスケジュールに組み込み、時間を決めて行う
●オンデマンド動画の視聴や課題図書の読み込み、レポート作成などでインプットとアウトプットの往復し学びを深める
ということが大事になってくるようです。


なによりも、
●家族と相談し、家庭内の役割分担を見直すなど、理解を得られるようにしておく
●予め会社に大学院のことを伝え、職場の理解を得るようにし、場合によっては業務量を調整してもらう
など、「LDCで学ぶうえでは、周囲の理解が不可欠」だと話していました。


かなりハードに見えますが、「せっかくの機会だからめいっぱい学びたい!という人が多い」「メンバーとの時間は貴重な財産でありリフレッシュになっている」「大変ではあるけれども、それに見合ったやりがいがあり、得るものが大きかった」といった声もあり、学びにどっぷりと浸かる日々を、楽しんで過ごしている様子も伝わってきました。



【LDCでの学び:1年次春学期の振り返り】
LDCでは、どのような授業が行われているのでしょうか。1年次の在学生は、入学して半年を振り返り、「たった半年の間に、理論と実践の両面でしっかりと学ぶことができた」と話していました。


在学生・修了生の誰もが「LDCの学びの『核』となる授業」と話すのが、1年次最初のグループ演習である「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト(LWP)」です。LWPとは、⼈材開発、組織開発に必要な概念を、チームでの課題解決を通して学ぶ授業であり、LDCでの学び方を学ぶ授業でもあります。


入学式当日にプロジェクトチームが発表され、初対面のメンバーとオンラインでのチーム活動がスタート。3カ月間で「2023年において企業に勤める若年労働者の抱える人材課題を調査してひとつ決め、対象者が90 分で受講可能なオンライン・ワークショップを開発し、実施する」という課題に取り組みます。最終成果報告会では、4チームがそれぞれ、外部参加者の方々に向けて、独自開発したワークショップを行いました。


LWPのチーム活動を通し、在学生は改めて自分と向き合い、LDCで学ぶ意味を自身に問いかけ、そのことが、秋学期以降の学びを深めていくことにつながります。


LDC入学から半年、一年次の在学生の学びは授業だけにとどまりません。在学生同士で声を掛け合い、読書会を開いたり、授業外の勉強会に参加したり、先輩との交流を通じて学んだり、経営学部のゼミ合宿に参加したりと、授業外にも様々な学びの機会があったといいます。また、「日常的に在学生同士で職場でのできごとを共有したり、悩みを相談したり、情報交換したりと、お互いに自身が持っている経験や知識を共有し、共に学びあうことで学びの拡がりを感じている」と話していました。



【LDCでの学び:1年次秋学期~2年次 プロジェクト(クライアントワーク)】
1年次秋学期は、2年次の「リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)」に向けた準備に入ります。LFPとは、個人で外部クライアントに対する人材開発・組織開発のサイクルに基づいたプロジェクトを行うもので、人や組織のリアルな課題をアカデミックな知見をもとに解決していくことに挑戦し、その経験から学ぶ、ということがLDCの大きな特長となっています。そして、そのプロジェクト実践をまとめたアカデミック・ペーパーを提出することがLDC修了の要件となっています。


このLFPの準備として、1年次の秋学期には「人材開発・組織開発2」という授業で、人材開発・組織開発のサイクルを学びます。そのうえで、4カ月に渡ってこのサイクルに基づいた課題解決のプロジェクトを、外部クライアント(企業、学校、非営利団体など)に対して、チームで行います。


2年次の在学生は「先行研究が探しづらく苦戦しましたが、これまで関わったことがなかったNPO組織の支援をあえて選択しました。ワークショップ後の繋げ方の困難もクライアントと一緒に経験しました。楽しんで活動できたことがよかったです」と話していました。


<人材開発・組織開発2プロジェクトの流れの例>



【LDCでの学び:2年次リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)】
2年次のリーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)では、約10カ月間で人材開発・組織開発のプロジェクトをクライアントとの契約から評価まで個人で行います。


実際に外部クライアントに対して、人材開発・組織開発のプロジェクトを行うということで、「外部クライアントを見つけられるのか?」と、不安になりますが、「自組織(組織全体でなく部課単位のことも)、知人の組織、知人やLDCの先輩・同級生からの紹介、教育機関などでの教育プログラム開発との連携」などにより、最終的に外部クライアントが見つけられなかった人はいないということです。また、プロジェクト内容も、入学前の応募書類に記載した「プロジェクト計画書」と同様のものに取り組む人もいますが、全く異なるテーマ、クライアントになる人も多いとのことです。


修了生の一人は「プロジェクトと報告書作成を通じて、アカデミックな知見を活かした実践(根拠が薄い実践からの脱却)に取り組むことができ、振り返りをして記録する経験をしたことで、自信になった。『アカデミック・プラクティショナー(理論と実践の往還ができる実務家)』への道が拓けたと感じた」と話していました。


<リーダーシップ・ファイナル・プロジェクトの流れの例>




◇修了後

LDCの学びは修了生のキャリアにどのような影響を与えているのでしょうか?また、修了後はどのようなアラムナイ活動を行っているのでしょうか。


LDCでは、今年3月に2期生が修了しました。2期生の中には、HR部門に異動になった人、人事コンサルティングファームに転職した人、大学の非常勤講師、研修講師の副業を始めた人、独立して起業した人などもいて、LDCで学んだことが、それぞれのキャリアに大きな影響を与えていることが分かります。また、修了生の個人としての活動も広がっており、立教大学のリーダーシップ教育プログラムの講師を務めている人、博士後期課程に進学した人、Webメディアを立ち上げた人もいます。修了生同士で、提携事業を行ったり、仕事として共に人材開発・組織開発の課題解決プロジェクトを行ったりと、仕事の面でも拡がりがあるようです。


また、アルムナイ活動も活発で、月に1度、LEP(リーダーシップ・エンドレス・プロジェクト)というオンラインでのアラムナイの集まりがあり、1期の修了生は「お互いに近況を報告するほか、仕事の壁打ちや転職の相談などを話したりすることもあります」と話していました。また、今年の3月には、先生方を招いて修了後1年間の実践にアカデミックな知見を“ふりかけて”整理した内容を報告する「リーダーシップ・エンドレス・プロジェクト発表会」が開催されました。


なお、LDC修了生に対して寄せられる人材開発・組織開発の求人情報を、修了生向けに送付、修了生が個別に応募できるような仕組みもできています。LDC修了生には、様々な企業から多くの求人が寄せられているとのことで、人材開発・組織開発の専門性を持った人材の採用ニーズの高まりを感じさせます。


画面には在学生・修了生から下記のような説明会参加者へのメッセージが映し出され、在学生&修了生パートは終了となりました。




◇クロージングメッセージ

説明会の最後には、在学生、修了生、教職員から一言ずつ、クロージングメッセージが送られました。

「みなさま、本日はありがとうございました。私はよく、人生を旅にたとえるのですが、その意味では、間違いなくこの2年間は、人生の最後に思い出す2年間だろうと今から確信しています。みなさん、迷われているかと思います。私も1年前は同じでした。『人生の選択肢に正解はない。選んだ道を正解にしていくのだ』という言葉の通り、最後は自分の嗅覚で選び、選んだ道を正解にしていくしかないと思います。私から申し上げられるのは、『ここには、みなさんが学ぶ環境は豊かに用意されています。そして、みなさんの学びを支え、共に学びあえる仲間がたくさんいます』ということだけです。決めるのはみなさんです。今日この日がみなさんの人生を大きく変える1日となれば嬉しいです。またお会いしましょう」(1年次在学生)


「みなさん、お疲れ様でした。大学院で学びたいという方がこれほどたくさんいるのかと思うと、本当に嬉しいです。私も2年前にこの説明会に参加し、在学生のパッションに影響を受けて、『ここで学ぶ一員になりたい』という気持ちで応募を決め、学び多き2年間を過ごしました。修了後の今も、在学中と変わらないくらいほど、活発にアラムナイ活動をやっています。『みんなで学ぶ大学院、みんなでつくる大学院』であるところに価値を見出してくださる方にぜひ来ていただきたいと思います。本日はありがとうございました」(2期修了生)


「みなさま、本日はありがとうございました。説明会を通して、LDCがどんな大学院かということは、よく理解していただけたのではないでしょうか。『学ぶ人が主役』の普通ではない大学院!?ですが、覚悟していらしていただけたら、みなさんの学びを全力でお支えします。来年4月にお会いしましょう!」(経営学研究科委員長 山口和範教授)


「本日はみなさまお集りいただきありがとうございました。また、この場をつくってくださった職員、在学生、修了生のみなさん、ありがとうございました。いかがでしたでしょうか?だいぶユニークな説明会だったかと思います。大学院の説明会というのは、教職員が挨拶をして説明をして、模擬授業を行うという形式であることが多いです。一方、わたしたちは、『みんなでLDCらしい説明会をつくろう』というところから始めて今日のこの場をつくりあげました。LDCとはどのような大学院なのかは、この場に参加していただいたことで、充分にお伝えできたのではないかと思います。みなさまに再会できることを心より楽しみにしております」(経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース主査 中原 淳教授)