2023年9月16日(土)、大学院経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース（LDC）の説明会を初のオンライン＆オフラインミックスのハイフレックス形式にて開催しました。お暑い中、池袋キャンパスに集まってくださったみなさま、日本全国さらには海外からもオンラインで参加してくださったみなさま、誠にありがとうございました。
説明会前半の「教職員パート」では、教職員がコースの特色や入試制度について説明を行い、続く「在学生・修了生パート」では、1年次、2年次の在学生及び修了生が、LDCの学びについて、受験勉強から在学中の生活、授業内容、修了後の活動まで詳しく紹介しました。
その後はいくつかの教室、オンラインではブレイクアウトルームに分かれ、在学生、修了生が参加者からの個別質問に直接答える相談会が行われました。入学を検討されている方にとっては、LDCの教職員、在学生、修了生から直接話を聞くことができる貴重な機会となったのではないでしょうか。
なお、今回の説明会にご参加いただけなかった方にもLDCへの理解を深めていただけるよう、説明会レポートを「教員パート」「在学生・修了生パート」及び相談会でのやりとりを一部ご紹介する「個別相談会パート」の３回に渡ってお届けいたします。
説明会は、以下の流れで開催されました。
◇経営学研究科委員長からの挨拶
◇ようこそリーダーシップ開発コースへ
◇コースのミッション
◇入試・教育訓練給付制度について
◇在学生・修了生の声（後日公開予定のリーダーシップ開発コース説明会レポート②「在学生・修了生パート」でお伝えします）
◇各部屋に分かれての相談会
◇クロージング
※当記事の記載内容は2023年度のコース運営に基づいています。
◇経営学研究科委員長からの挨拶
説明会は経営学研究科委員長である山口和範教授の挨拶から始まりました。
「みなさま、本日は多数お集りいただきましてありがとうございます。開講前の2019年には対面で説明会を行ったのですが、その後はオンラインでの説明会となっていましたので、本日はみなさんのお顔が見えて良かったです。
立教大学にリーダーシップ開発コース（LDC：Leadership Development Course）が開講したのは、2020年4月のこと。本年で４年目を迎えました。LDCの特徴は、経営学修士の学位をオンラインのみで取得できる社会人大学院だというところです。オンラインの方や遠方にお住まいの方、通学が難しい方にとってのメリットが大きいとの判断から、2021年からはオンラインのみで受講できるコースとしました。といっても、対面授業の重要性も認識しており、対面とオンラインでのハイフレックス授業も行っておりますし、キャンパスの利用や図書館などリアルの学校施設の利用も可能です。大学院生活については、本日の説明会で、在学生、修了生の方からたっぷりと話していただけるかと思いますので、しっかりとお聞きになってご検討いただければと思います。
私から3点ほどお伝えいたします。
１つめは募集人数についてです。入試要項等には10名と表記されていますが、実際は、毎年20人程に入学していただいています。
２つめは、パーソルグループからのご支援についてです。本コースは、開講時から『人と組織に関わる課題解決ができる専門人材を育成する』という目的に賛同してくださったパーソルグループから、人的、経済的に多大な支援をいただいています。
３つめは、「教育訓練給付制度（専門実践教育訓練）」についてです。LDCは、来年度から「教育訓練給付制度（専門実践教育訓練）」の対象講座への指定を受けることができました。入学者のうち一定の条件を満たす場合は、この制度による給付金を受給することができます。これについては後ほどご説明いたします。
最後に、本コースの入学を希望される方に、お願いしたいことがあります。それは、決して受け身ではなく『共に学びあう』ということを強く意識して来ていただきたい、ということです。LDCは単に人と組織のことが学べる大学院というわけではありません。みなさん全員の手でつくる学びの場です。この研究科をよりよい学びの場にしようと積極的に参加してくださる方に、入学していただきたいと思っています。本日はこの入学説明会を楽しんでください」
◇ようこそリーダーシップ開発コースへ
続いて、経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース主査 中原 淳教授がLDCの理念について話しました。
「ようこそ！本日は説明会にお越しいただき、ありがとうございます。はじめに、本日の説明会の目的についてお伝えしておきます。
目的は次の３つです。
①リーダーシップ開発コースの理念や特徴をご理解いただくこと
②大学院での学びの生活をリアリティをもって感じていただくこと
③ともに学ぶ仲間が、どんな志や熱意 をもち、コースに集っているかを感じること
リーダーシップ開発コースは、非常にクセのあるコースとなっておりますので、今日はそれをしっかり理解したうえで入学を検討していただければと思います。まずはみなさんに、LDCの理念、特徴として、最も重要なことをお伝えしたいと思います。
それは、『リーダーシップ開発コースはMBAではない』ということです。経営学の大学院ということで、MBA（Master of Business Administration）と混同されがちなLDCですが、むしろ『MBAであることを積極的に拒否している』と言っても過言ではありません。
MBAはビジネスのジェネラリスト育成を目的としているため、経営学を広く網羅的に学ぶものが多く、人と組織の科目は30科目あっても2～５科目程度です。一方、LDCは人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の高度プロフェッショナル人材の育成を目的とし、より専門に特化した内容を学ぶプログラムとなっています。また、仮想ケースを扱うのではなく、リアルなビジネス課題解決を実際に行うところまでがカリキュラムに含まれています。さらに、学び方も異なります。MBAでは大人数で大規模な階段型教室に集まり、ケースを用いて議論する、といった授業形式ですが、LDCは少数精鋭。人数が少ないので、オンラインで家にいながら議論やグループワークを行うなど双方向型の授業を受けることができます。
もちろん、MBAでビジネス、経営学を学ぶことの意義を否定するものではありません。ですが、昨今では、人的資本経営、ジョブ型雇用など、企業経営において重視すべきテーマとして人と組織の問題に注目が集まっています。人と組織が企業の競争優位になる今の時代に求められているのは、人と組織の課題解決ができる専門家です。LDCは積極的に非ＭＢＡ宣言をし、人と組織にフォーカスして学び、人と組織の課題解決ができる高度プロフェッショナルを育成することを目的とした社会人大学院を目指しています。まずは、このことをしっかりとご理解ください。
さらに申し上げると、LDCは強い文化を持っています。私たちが求めているのは『知の消費者』ではありません。本日の入学説明会もそうですが、LDCという学びの場は、教員・職員・学生が力を合わせて作っています。自らが『知の生産者』となり、この学びの場づくりに貢献していただける方に来ていただきたいのです」
続いて、中原教授はLDCの特長を３つ挙げ、次のように話しました。
１．人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の高度プロフェッショナル人材を育成
「授業の3分の2以上が『人と組織』に関わる内容です。もちろん経営学を基盤にしていますので、経営学もしっかりと学びますので、経営学修士をお出ししています」
２．オンライン学習によるカリキュラム提供によりDx時代の人材開発・組織開発を牽引
「オンラインですが、しっかりと双方向で学ぶことができ、これからの時代に求められるオンラインで人材開発、組織開発を提供するスキルが身につきます」
３．クライアントへのプロジェクト実施を修了要件とし、アカデミック・プラクティショナーを養成
「LDCは研究者養成を目的とした通常の大学院とは異なります。研究大学院では修士論文を書きますが、LDCでは自身でクライアントを見つけて、クライアントへの組織開発、人材開発のプロジェクトを実施し、プロジェクト報告書にまとめるところまでが修了の要件です。知識だけでなく、実際にビジネスに活きる実践力を身につけることができます」
その後、LDCについての疑問、学ぶうえでの不安に対して中原教授が答えました。
「どんな人が学んでいるのか？馴染めるかどうか心配」
・授業はほぼ必修であるため、20名ほどの同期は「クラスメート」として、共に学び合う同志となり、孤独に陥ることがない。
・社会人大学院は一般的に年齢の高い男性が集まる傾向が強いが、LDCの在学生は職種や業種、男女比率、年代、居住地など多様な人が学んでいる。
「経営学を学んだことが無く、授業についていかれるか心配」
・経営学のバックグラウンドがある方が望ましいが、在学生の7割が経営学以外の出身。経営学を全く学んだことが無い人でも理解できる。
・必修科目中心の一貫したカリキュラムが組まれていることにより、経営学を体系的に学べるようになっている。
「英語が苦手で、英語の論文が読めるかどうか不安」
・英語の論文を読む機会があるため、英語はできる方が望ましいが、最近では優れたAI翻訳ソフトなどもあり、英語力が問題になることはない。英語力よりもパッションが重要。
「オンラインできちんと学べるのか心配」
・オンラインでの学習効果は対面授業と変わらないか、むしろオンラインの方が高いという研究結果も多数出ている。
・オンラインでのコース提供により、遠隔地からも通える、通学時間が節約できるなど、メリットの方がはるかに大きい。フルオンラインなので全国から学ぶことができる。
「仕事にどのようなメリットがあるのか？」
・LDCではビジネスに役立つ実践的な知識、スキルを学ぶことができるため、学んだことを実際の仕事、業務に活かすことができる。修了生アンケート結果でもそれが表れている。
・実際に起業や転職など、キャリアアップ、キャリアチェンジに成功した在学生、修了生も多い。
・転職のチャンスも用意されている。修了後もアラムナイネットワークを通して、企業から直接オファーが届く仕組みを持っており、現在も多数のオファーを受けている。
最後に、LDCのヴィジョンにとして下記の言葉を紹介しました。
私たちは夢見ています…LDC卒業生の多くが、各事業会社で、人材開発・組織開発のプロフェッショナルとして働いている未来を！
LDC卒業生の多くが、人事・組織などのコンサルティングファームを動かし、高度な課題解決を行っている様子を！
LDCの卒業生の何名かが、大学や大学院などで教鞭をとり、人材開発・組織開発を教えている未来を！
資源のもたないこの国ニッポンの「人材」をより高度にするお手伝いを、LDCの全メンバーが取り組んでいる様子を！
日本を「人材立国」へ！
あなたもLDCにジョインしませんか？
「いかがでしょうか？この通り、LDCは大変クセが強い大学院です。クセは強いですが、経営学を基盤にしながら人材開発・組織開発・リーダーシップ開発が学び、現場にインパクトを与えられる人材を育成する唯一無二の大学院です。人生１００年時代、『記憶に残る大学院』そして『キャリアを切り開く大学院』へようこそ！このヴィジョンに共感し、自らが知の生産者となって学びの場づくりに貢献する仲間となってくださる方は、ぜひいらしてください。お待ちしています」
◇コースのミッションと特徴
続いて立教大学の統括副総長でもある経営学研究科経営学専攻主任石川 淳教授がコースのミッションについて話しました。
「LDCのミッションは『豊かな経営学知識に基づいた次世代のリーダーシップ開発の促進』です。これを言い換えると豊かな経営学知識に基づいたリーダーシップ開発、人材開発、組織開発、実際に推進することができる高度専門職人材を育成する、ということになります。私からは、なぜこのコースが立教大学にあるのか、このコースが立教大学にある意義について少しだけお話させてください。
LDCが立教大学にある理由の1つめは、立教大学の建学の精神に非常にマッチしているから、です。立教大学はキリスト教系の大学であり、リベラルアーツ教育を掲げています。リベラルアーツとは一般教養などと訳されますが、もともとは中世ヨーロッパで教養課程とされた、文法、修辞学、弁証法、および算術、幾何、天文学、音楽の7科目指す言葉です。これらは『自由な市民になるための術』だと考えられていました。一言で自由といっても、権力からの自由、勝手気ままにふるまう自由など様々な意味がありますが、我々の考える自由とは、カント哲学における自由、世の因果律から離れた自由を意味しています。自分の中にある偏見、差別意識、あるいは欲望に負けてしまう弱い心から自由になり、自由意志を持って他者のため、正義のため、社会のためにリーダーシップを発揮できる人を育成することが、我々の目指すところであり、立教大学の理念と重なるところなのです。
もう亡くなってしまいましたが、歌舞伎役者の18代目中村勘三郎は『型破りって言うのは型があるから型破り。型があるから型破りが出来る。型が無ければそれは単なる形無しなんだ』という言葉と残しています。個性は大事だが、その前にまずは型が大切、というわけですが、本学でも同じように考えています。リベラルアーツを学ぶということは、社会人が自由に活躍するための『型』を身に着けるということに他なりません。そして、現代に生きる我々が身に着けるべきリベラルアーツの一つが『リーダーシップ』であると本学では考え、特にリーダーシップ教育に力を入れています。
LDCが立教大学にある理由２つめは、立教大学には、これまでの研究、教育の積み重ねがある、ということです。2006年にリーダーシップ研究所が設立されて以降、立教大学では様々な研究がなされてきました。また、その前身である産業研究所には50年以上の研究の積み重ねがあります。さらに、立教大学経営学部では2006年からビジネス・リーダーシップ・プログラム（BLP）というリーダーシップ教育のカリキュラムが行われてきており、企業や文科省からも高い評価を獲得しているなど、質の高い教育実践を積み重ねてきた経緯もあります。
以上のような理由で、立教大学では、リーダーシップ教育に力を入れており、リーダーシップ教育を提供できる人材、リーダーシップ開発・組織開発・人材開発を実践できる人材を育成するLDCは、その先頭を走っているコースということができます」
◇2024年度入試について
続いてLDC事務局スタッフが入試と教育訓練給付制度についての説明を行いました。
◆ 2024年度入試の出願資格や入試日程等 を記載した資料が公開されています
・ 対象のファイルには、立教大学大学院 の全研究科の情報が記載されています
・ 本コースの情報は「2024年春季実施分」「経営学 – 前期 – 経営学(MB) – 社会人」の項目を参照してください。なお、出願手続き等の詳細な情報が記載される「入試要項」は10月下旬に公開予定です
◆出願資格
・ 博士課程前期課程の出願資格要件を満たし、かつ、大学卒業後、出願時に学校・官公庁・団体・企業などで、常勤職員として１年以上の勤務経験を有する者※各研究科共通の出願資格もあります。詳細はWebページに公開されている資料をご確認ください
◆試験日程
・出願受付期間 1月5日(金)～1月18日(木)
・ 筆記試験 2月17日(土)：オンラインで実施
・ 口頭試問 2月18日(日)：オンラインで実施
・ 合格発表 2月28日(水)
◆選考方法
◇ 書類審査：出願書類の一例
・ プロジェクト計画書：2年次の1年間で企画・遂行する人材開発・組織開発・リーダーシップ開発プロジェクトの計画案等を執筆し提出していただきます。
・英語資格・検定試験の成績証明書：以下のいずれかの成績証明書を提出していただきます。なお、提出できるスコアは出願期間の最終日(2024年1月18日)から遡って過去 2 年以内の試験で取得したものを有効とします。
・TOEFL iBT®Test：Test Taker Score Report を提出
※TOEFL iBT® Home Editionは不可
・TOEIC® Listening and Reading Test：公開テストのOfficial Score Certificate/Digital Official Score Certificate(公式認定証/デジタル公式認定証)を提出
※IPテストは不可 (本学在籍者向けに本学が実施したIPテストを除く)
・IELTS(Academic Module)：Test Report Form(成績証明書)を提出
※IELTSオンライン版（IELTS Online)、IELTS Indicatorは不可
※IELTSコンピューター版（IELTS on Computer (IoC)）は有効
◇ 選考方法
専門論文(ｵﾝﾗｲﾝ実施)
口頭試問(ｵﾝﾗｲﾝ実施)
※書類審査および筆記試験により｢口頭試問｣対象者を限定する
◆事前の準備
・専門論文では関連領域の専門知識を問う問題が出題されます
＜参考＞【2023年度版】専任教員が選出 リーダーシップ開発コース関連領域を学ぶための図書18選
・入試の過去問題を本学入学センターに請求いただくことが可能です
・詳しくは、本コースWebページ[よくいただく質問]-[入試について]をご確認ください
※入試日程や入試方法等を変更する場合があります。詳細は必ず入試要項を確認してください。
◆教育訓練給付制度について
・ 本コースが、2023年10月1日付けで専門実践教育訓練給付金の支給の対象講座として指定を受けました 参照：https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/2023/0823/
・一定の条件を満たす方が、指定する専門実践教育訓練の講座を受講し修了した場合、本人が教育訓練施設に支払った教育訓練経費(入学金と授業料）の一定の割合額（2年間で最大112万円）をハローワークから支給を受けることができます
・ ハローワークで支給要件照会の手続きをすると、給付が受けられるかどうかを詳しく
調べることができます
・ 休学・退学をした場合それ以降は給付金が支給されない可能性がありますのでご注意ください
・給付の条件を満たす方で、本制度を利用したい方は、入学前にご自身でハローワークにて所定の手続きを行う必要があります。
・教育訓練給付制度の詳細に関しては、お住まいの地域を管轄するハローワークにお問い合わせください。
◇コース在学生・修了生の声
続いて、LDCで学んでいる在学生、修了生が、LDCでの学びについてプレゼンテーションを行いました。こちらの様子は、後日掲載予定の2023年9月リーダーシップ開発コース説明会レポート② 在学生・修了生の声をご覧ください。