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  • 2023.01.11
  • 在学生の声
  • LDC在学生座談会 「LDCでの学びはキャリアアップにつながりますか?」LDCとキャリアチェンジ

リーダーシップ開発コース(LDC)では、在学中に大きなキャリアチェンジを遂げる方が少なくありません。

果たしてLDCでの学びは在学生のキャリアにどのような影響をもたらしたのでしょうか?
在学中の転職活動はどのように行っていたのでしょうか?

在学中にキャリアチェンジを果たした LDC2年次の須佐幸司さん、福井拓海さん、遠藤悠さん、瀬田千恵子さんの4名に、お話を伺いました。


―本日は、リーダーシップ・ファイナル・プロジェクトでお忙しい中、ありがとうございます。まずはみなさんがどのようなキャリアチェンジをなさったのか教えてください。

須佐幸司さん もともとパナソニックで13年間、営業やマーケティングを担当していました。昨年、LDCの1年次在学中にヤプリというスタートアップに転職、その後、今年の9月に荏原製作所に転職しました。


福井拓海さん 私は昨年10月、東京都庁職員からデロイトトーマツコンサルティングという会社に転職しました。都庁では税金関係の仕事を担当していましたが、デロイトでは組織人事系のコンサルタントへキャリアチェンジしました。


遠藤悠さん 私はパーソルキャリアから昨年8月にLooopという再エネの電力会社に転職しました。パーソルキャリアでは、転職サイトのマーケティング職だったのですが、今は人事の仕事をしています。


瀬田千恵子さん 私はユニリーバで人事の仕事をしていたのですが、1年次の7月に退職し、エグゼクティブコーチ及び人材開発のコンサルタントとして独立起業しました。今年の5月に自分の会社を設立し、その後11月には中竹竜二さんが代表を務めるチームボックスという会社の役員となりました。



―みなさん、華麗なる転身を遂げていらっしゃいますね。どのような経緯でキャリアチェンジに至ったのでしょうか?須佐さんは、前職では営業職だったということですが?

須佐さん はい。私は長らく営業やマーケティングの仕事をやってきたのですが、以前から人事をやってみたいという思いがありました。事業や経営がうまくいかない状況も経験しているのですが、その原因として、人材開発、組織開発の課題があるのではないかと感じていたからです。とはいえ、社内で人事へのキャリアチェンジすることは難しかったので、まずは学んでみよう、とLDCの扉を叩いたというわけです。

LDCの入学後は「学んだことを人事として実践したい」という思いが強くなり、昨年11月にスタートアップの人事に転職しました。人事は未経験だったこともあり、成長スピードの早いスタートアップであれば、人事としても会社と共に成長できるのではないかと考えたからです。転職後は、「学んだことをどう現場での施策に生かすか」という視点を持ってLDCの授業に取り組むことができるようになり、学ぶ意欲がより高まりました。

LDCと現場とを往還する日々は本当に充実していたのですが、以前から希望していたピープルアナリティクスの領域にチャレンジしたいと考え、現職に転職しました。



―LDCに入学してから既に2社目!しかも、希望していた人事系のお仕事で経験を積まれているという…2年も経たないうちに、驚くべき転身です。続いて、福井さんは、地方公共団体で税務のお仕事をなさっていたとのこと。そもそもなぜ、LDCに入学されたのですか?

福井さん 前職で、今後この組織がより一層良くなっていくためには、「人の成長・育成が鍵になる」と確信めいた思いを実は持っていました。しかし、人の成長が大事と思っていても、いざ具体的に考えてみると「どうしたら人の成長・育成は実現できるのだろうか」と、常にモヤモヤした思いがあり、人材開発、組織開発について専門的に学ぼうとLDCに入学しました。

その中で転職した理由は、2つあります。1つは、そもそも地方公共団体というのは、制度や仕組みを整えることで社会に貢献していくことをめざす組織ですが、より直接的に困っている人や組織の支援がしたいと思うようになったということ。もう1つは、須佐さんと同様、人事の仕事に興味を持っていたものの、庁内で人事部へ異動することが難しかったということがあります。

コンサルティング会社への転職に際しては、HRに特化した社会人大学院で学んでいるということが、採用の決め手の一つになったように思います。実際、未経験ながら組織人事コンサルタントとして働けているのは、人と組織の課題解決についての基本的な考え方など、LDCで身につけたスキルセットがコンサルタントとしての土台となっているからだと感じています。慣れないところもありますが、自分がやりたかったことをやれている、学んできたことを活かせるというのは、本当に充実感があります。



―福井さんのキャリアチェンジは、本当に珍しいというか、なかなかあり得ないケースなのではないでしょうか。LDCで学んだことを即実践に役立てていらっしゃるというのもすばらしいことです。遠藤さんは、LDCを1年休学なさっていたかと思いますが、その間に転職なさったということでしょうか?

遠藤さん はい。私の転職先はリーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)のクライアント企業です。プロジェクトを進めていくために、クライアント企業との関わりを深めるうちに、「この企業で働きたい」と思うようになり、2年次の8月に転職しました。LDC入学前は、まさか自分が転職するとは思いもしなかったので、自分でも驚きです。

転職を決めたのは、会社が魅力的だったということもありますが、成長段階にあるベンチャー企業であるこの会社なら、事業がやりたいことを成し遂げられる組織づくりに当事者として関与する経験ができるのではないか、と感じたからです。入社後、実際にその会社の中で人材開発、組織開発の実践を重ねた後で改めてLFPに取り組みたいと考え、1年休学することを決め、今年の秋学期から復学したという経緯です。

今の会社は、社員数が300名程度の組織なので、社長や役員と直接やりとりする機会もあります。施策を提案する際に意見や根拠を求められることもありますが、その際にLDCでの学びは大変役に立っています。



―LFPが遠藤さんの運命を変えてしまったというわけですね。LFPでは、クライアント企業に深く関わることになるので、今後もこのようなご縁が生まれてくることもありそうです。さて、瀬田さんのキャリアチェンジは転職ではなく、独立、起業ということですが?

瀬田さん 実はLDCに入学する前から前職を辞めて独立しようという気持ちを持っていました。これまで人事部で様々な仕事をやってきましたが、やはり人材開発、組織開発に特化してやっていきたいという思いが強かったからです。LDCの受験を決意したのは、大学院で学ぶことで、専門的な知識、スキルを身につけ、独立後の自分の可能性を広げていきたい、という思いもありました。

入学が決まった時に独立し、入学後は個人事業主として、コーチング、リーダー育成、シニアの能力開発、1on1の導入支援などの仕事を企業から請け負ってやっていました。依頼される仕事はまさに人材開発、組織開発の実践ばかりだったので、忙しくはありましたが、LDCの授業で学んだことをすぐに仕事に生かすことができました。また、LDCで様々なことを学ぶ中で、自分の興味、得意分野を絞り込むこともできたので、今後のキャリアの方向性もより明確になってきました。

その後、以前からお仕事をご一緒させていただいていた中竹竜二さんから、より会社の経営にコミットしてほしい、というお話をいただき、11月からはチームボックスに取締役として関わることとなりました。



―個人事業主として独立しても仕事の依頼が絶えることなく、お仕事の幅をどんどん広げていらっしゃるのはすごいことです。みなさんキャリアチェンジに至る経緯は様々ですが、LDCに入学したことが大きく影響していることは確かですね。しかし、LDCの在学中に仕事もしながら転職活動もするというのは、大変だったのではないでしょうか?

須佐さん 実はそれほど大変でもなくて…というのも、仕事も授業も転職活動も全てオンラインでできたので、それはすごくありがたかったです。むしろ転職活動中に「LDCで良かった」ということが何度もありました。

というのも、面接では人事の方にお会いすることが多く、みなさんLDCや先生方のことをご存じで、初対面でもそうした話で盛り上がることができたからです。面接してくださった方の中には「LDCを受験しようと思った」とおっしゃる方もいました。人事という共通言語で語ることがなかなか難しい領域で、共通の話題ですぐに話ができたのは、本当にありがたかったです。



―福井さんは、LDCで学びながらの転職活動、いかがでしたか?

福井さん 私は、学びの質を確保しながら効率的に転職活動をすることに、かなり気を遣っていました。というのも、かなり貯金を切り詰めてLDCの学費を捻出しましたので、「何としても、しっかり学びながら転職も成功させて、元を取ってやるんだ」という気持ちが強かったからです。

LDCの学びは単に知識だけではなく、実践して身につける部分も多いので時間が取られます。一方、私はかなり振れ幅の大きいキャリアチェンジを図ろうとしていたので、自分の経験の棚卸しなど、転職活動の準備にも相当時間が取られました。ですので、学びと転職活動の両方を効率的に行うことは結構苦労しました。



―LDCと転職活動の両立を図り、しっかりと“元を取る”ことができたわけですね。お仕事もしながらというのは、ほんとうに大変なことだったのではないかと思います。遠藤さんは、転職なさってみていかがですか?

遠藤さん 私はLFPのクライアント企業に転職したので、LFPを通して、転職先のことを先に知ることができたので、ある意味、入る前にオンボーディングできていたのは良かった点です。とはいえ、いざ入社してみると、見えるものは違ってくるので、外部からではなく、内部から介入することができるのは良かったなと感じています。

転職によって、LDCは1年休学することになりましたが、1社員として、社内の人たちのことを知り、社内の人が何に困っているのか、どんな課題があるのかを探ることができたので、LFPのプロジェクトも、新たに組み立て直して取り組んでいるところです。



―もはや、LFPを納得いくまでじっくり取り組むために転職をなさった、と言っても過言ではないですね(笑)。探究心がすばらしいです。瀬田さんは独立、起業されたということで、最初は不安もおありだったのではないですか?

瀬田さん 退職前から、既にお仕事のお約束をいただいていたので、その点の心配は無かったのですが、むしろ、その後も継続してお仕事をいただくために、いかにLDCでしっかりと学ぶかの方が私にとっては大きかったです。

独立、起業し、1人でやっていく覚悟ができたので、LDCの授業で学んだことをお仕事として実践できるよう、キャッチしたものをいかにして取り入れ、現場で実践するかばかりを毎日考えて過ごしてきました。忙しくはありましたが、苦労というよりも楽しんでやっていましたね。正直、LFPが大詰めとなっている今が一番大変です(笑)



―LDCで学んだことを実践に活かしていく、という意味では、入学と同時に独立、起業なさったというのは、タイミングとして良かったのかもしれませんね。最後に、キャリアチェンジしてみての感想を一言ずつお願いします。

須佐さん 人事の仕事に就いたことで、学んだことを現場で活用できる楽しさを知った、というのが自分の中では大きいです。これまでそういった学びをしてこなかったというのもあると思いますが(笑)。学んでそれを使える喜びを知ったというのが、キャリアチェンジしたことによる一番の収穫です。
あとは、LDCでいろんな方に出会ったからこそ、より自分のキャリアについて考えるようになった、ということもあると思います。ちょうど今受けている「キャリアとリーダーシップ論」という授業も、じっくりとキャリアを考える機会になっていますし、周囲からの刺激を受けながら、自分とも向き合い、今後のキャリアについても考えられるのもLDCの良さだなと思っています。


福井さん 人生変わった!というのが率直な感想です。自分が究めたい分野を好きなだけ究めることができるのは嬉しいですし、自分自身で自らのキャリアを積み上げている実感もあります。前職では、上へ上への垂直方向へのキャリアだったのですが、今は水平方向に広がっていくようなイメージもあります。今の会社でしか得られないスキルもありますし、こうしたスキルの広がりが、自分の強みとして蓄積されているような感覚もあります。
私のように人事の経験はないけれども、どうしてもこの分野に興味があって転職したい、という思いを持っている人は少なくないと思います。LDCは知識だけでなく、実践的なスキルも学ぶことができるので、もし同じような思いを持っている方がいらしたら、ぜひ挑戦していただきたいです。


遠藤さん 転職して良かったな、と思っています。LDCに入ったのも、今の会社に入ったのも、クランボルツのプランド・ハップンスタンスではないですが、たまたま、なのですが、それが結果的にとても良かったです。
就活の際は、良いか悪いか、得か損か、を頭で考えて判断していた気がしますが、LDCも今回の転職も、好きか嫌いか、やってみたいかどうか、というスタンスで選びました。ですので、もしもLDCの受験を検討されている方がいらしたら、ご自身が「いいな」という気持ちを大事にしてください、とお伝えしたいです。


瀬田さん 私自身は入学前からキャリアチェンジを考えていた、ということはありますが、今、LDCにいることもまた、キャリアチェンジの大きな流れの中にあるような気がしています。
人材開発、組織開発を実践する側にいる私たちは、人になにかを伝える立場にいる以上、ずっと学び続けなくてはなりません。そう考えると、大学院ですばらしい仲間と学び、それを実践することができているこの2年間はほんとうに恵まれた時間だな、と感じます。
その中で、私は本当に学ぶことが好きだと改めて気づいたし、一生学び続けたいな、と思っています。そうした自分の人生の軸になるものを見つけられた、という意味でも、LDCに入って良かったと思いますし、学ぶことが好きな方にはぜひおすすめしたいです。