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  • 2022.03.01
  • 授業
  • LDCで学んだ2年間の集大成 リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト最終報告審査会

1月29日(土)、LDC二年次のリーダーシップ・ファイナル・プロジェクト最終報告審査会が立教大学池袋キャンパスで行われました。新型コロナの変異株、オミクロン株による感染が急拡大する中、完全オンラインにする選択肢も検討されましたが、やはりLDC2年間の集大成となる特別な機会ということで、対面&オンラインミックスのハイフレックス形式での開催になりました。当日は9名が対面、5人がオンラインでの参加でした。


LDC2年次の在学生にとっては、この最終報告審査会が今年度2度目の池袋キャンパスでの実施会であり、今後の情勢によっては、専任教員と在学生が対面で顔を合わせる最後の機会になる可能性もあります。事務局は安心して参加してもらえるよう、感染防止対策を徹底し、換気を十分に行うなど万全の態勢を整えました。最終報告審査会は2教室に分かれて行われ、審査を担当する教員も対面参加者とオンライン参加者がいるハイフレックス形式でした。


LDCでは、2年次の1年をかけて、実際のクライアント組織に対する人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の実践と効果検証をおこないます。リーダーシップ・ファイナル・プロジェクトでは、受講生自身が選んだクライアント組織に対して、人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の観点から課題解決を行い、それを記述した3万字以上のアカデミックペーパーを作成します。作成した「プロジェクト報告書」の提出期限は1月10日。年末年始はみなさん最後の追い込みで根詰めて執筆作業を行っていたようです。リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト最終報告審査会では、それぞれがプロジェクトの最終報告をプレゼンし、プロジェクト報告書を事前に読んでいる先生方からの質疑応答を経て審査が行われます。この審査に合格し、コース修了に必要な全ての単位の取得が認められれば、修士(経営学)の学位が授与されるというLDC生にとっての最後の関門です。


教室内には発表者のプレゼン資料が映し出され、オンライン参加の場合は、この画面を通して発表が行われます。教室内の先生方の様子もそれぞれオンラインの発表者へZOOM配信されます。8時50分から先生方の事前ミーティングが始まり、審査方法などについて最後の確認がされました。9時30分頃からは、いよいよリーダーシップ・ファイナル・プロジェクトの最終報告会が始まりました。一人あたり30分の時間が与えられ、最初の10分間で発表、その後の20分で先生方による質疑応答が行われます。


アクションとリサーチを両立させるプロジェクトを行うことがLDCのユニークなところであり、難易度の高いところです。発表者はクライアント組織や事業についての説明から、課題の分析、先行研究を踏まえての解決策の検討、実際に行った働きかけとインパクトの説明、その後の考察と今後の課題まで、盛りだくさんの内容を10分間に詰め込んでプレゼンを行いました。


質疑応答では「どうしてこの介入の効果があったと言いきれるのでしょうか?」「なぜこの質的調査の方法で分析しようと考えたのですか?」「他に検討された先行研究はどのようなものがありましたか?」など、鋭い質問が次々と投げかけられ、時には答えに窮して言葉に詰まる発表者も。また、「このプロジェクトを通して何を学ぶことができ、何を学べなかったと感じていますか?」「これから学んだことを社内でどうやって生かしていきたいですか?」といった振り返りを促すような質問もあり、「インプットしたことを職場でアウトプットすることができた」「まだ知識を深めるところまでは行かなかった」「課題全てを一気に解決するような施策はない、ということがよく分かった」などと発表者が自身を振り返りつつ答える様子も見られました。


お昼休憩をはさみ、最終報告審査会は15時10分まで続きました。全員の最終報告が終わった後は、先生方による振り返りの会が行われました。先生方からは「発表のクオリティには差があったものの、一定程度のレベルは保てていたように思う。通常の修士論文と異なるスタイルだったにもかかわらず、多くの学生がしっかり形になる発表になっていた」「課題を分析し、解決策を検討し、それを実践した結果の検証まで行うので、通常の修論よりも盛り込む内容が多くなる。リーダーシップ・ファイナル・プロジェクトが難易度の高いチャレンジであることが審査会を通じても伝わってきた」といった感想が述べられました。


石川淳教授は「通常の大学院のように、少人数のゼミ形式で担当教員が指導する形ではなく、様々な教員から指導を受けるといったスタイルで進めてきたが、総じて期待したレベルを上回る結果になっていて良かった。『この指導方法で行けそうだ』という手ごたえが得られ、満足している。欲を言えば、人によるが、やや考察が足りないところが見られたように思う。『なぜこの介入方法を選択したのか。なぜこのような効果が得られたのか』など、もっと深掘りして考察ができていればさらに良いものになったのではないか、と感じるケースがいくつかあった」と話しました。


中原淳教授は「日本でも珍しいアクションリサーチ型の大学院を掲げ、ここまでやってこられたことはほんとうに良かったし、私も期待以上の成果が得られたと感じている。2年次が始まった当初は、プロジェクトの方向性に迷って、面談を繰り返していた人もいたし、7月ごろに大きく軌道修正した人もいたので、よくここまで辿りついたと思う。在学生の一人が発した『先生、これはリーダーシップ・ファイナル・プロジェクトではなく、リーダーシップ・エンドレス・プロジェクトですよね』という言葉がとても印象に残っている。『このプロジェクトに関わったことで、自分の課題が見えてきたし、自分の伸びしろも見えてきて、これで終わりという感じではなかった』と話していた。それはその通りなのだろう。一人一人にとって、ファイナル・プロジェクトは終わりではなく、ここからが次の学び始まりになるのであろう感じた」と話しました。


LDC初の学位授与式は3月25日(金)に行われる予定です。濃厚で濃密な2年間の学びを終え、LDC初の修了生がいよいよ巣立ちの時を迎えます。今後はそれぞれの持ち場で、終わることのない「リーダーシップ・エンドレス・プロジェクト」を進めていくことになるのでしょう。LDC生の学びは、これからも続きます。お疲れ様でした!