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  • 2022.12.19
  • 在学生の声
  • 在学生インタビュー 「LDCの学びは人事の仕事に活かせていますか?」 人事担当者が語るLDC パート1

リーダーシップ開発コース(LDC)は、人づくりと組織づくりの大学院ということで、現役の人事担当者も数多く在籍しています。日々、仕事を通して様々な人事課題に取り組んでいる人事担当者は、LDCでの学びをどう捉えているのでしょうか。果たしてLDCの学びは日々の業務に活かされているのでしょうか?現役で人事のお仕事をなさっているLDC1年次の竹内利英さん、畑中亮介さん、正木茂さん、平澤孝子さんの4名に、お話を伺いました。

パート1では、竹内さん、畑中さんのインタビューを掲載します。


「授業で学んだ内容をタイムリーに社内に還元できました」
竹内 利英さん 


―お仕事内容などを教えてください。

竹内さん 飲料メーカーの人事部で主に社員の異動・配置の業務を担当しています。といっても、異動・配置の業務はそれだけを単体で考えることはできないので、採用や育成、人事制度の運用、役割変更など、社員個人と組織の力を最大化するための仕事に広く関わっています。


―元々人事のお仕事をなさっていたのですか?

竹内さん 人事部は5年目です。この仕事をする前は、営業の仕事を11年やっていました。入社以来「この会社を世界一チームワークいい会社にしたい。それぞれの個性、能力が最大限発揮できる会社にしたい」という気持ちを持って働いていたのですが、実際には自身の将来や成長に不安を感じて辞めていく同期や若手社員もいて、そのことにとても心を痛めていました。自分自身は会社と共に成長していきたいし、そうできると信じていたので、この環境を変えたい、皆の頑張りがもっと報われるようにしたいと考えていました。
そこで所属部署や年次もバラバラの同志6人で休日に集まり、会社の課題と打ち手を考える勉強会を始めました。活動を通じて、自分は人と人をつなぐことが得意だと感じ、その後も、月に一度、部門や年代関係なく自身のキャリアを磨きたい人たちが集まれる交流会をつくって活動していました。折々に「全社員が経営理念とビジョンを判断基準に1つにまとまり、迷わずに行動できる風土づくりに関わりたい」と口にしていたところ、ご縁あって人事部で仕事をすることになりました。


―実際に人事のお仕事をしてみていかがでしたか?

竹内さん やりがいも感じていますが、人事だからこその難しさも感じるようになりました。営業職のころは、「こんな取り組みをしてはどうか」などと、人事部門へ様々な要望を出す側でしたが、実際にそれを実現させるためには様々な調整も必要で、容易ではありません。従業員2000人弱の会社なのですが、全員のベクトルを合わせることは難しく、なかなか自分が思い描くような状態に持っていくことはできません。いつも理想とのギャップが埋められないふがいなさを感じています。
壁にぶち当たってGoogle検索をする度に中原淳先生の本や記事に辿りつき(笑)、LDCを知りました。ハードルは高そうだと思いましたが、もはや想いだけでは突破できない壁にぶつかっていたので、人事としてきちんと体系的に学んでスキルを身に着け、社内で人材開発、組織開発を実践できる人になりたいと考え、LDCの受験を決めました。


―LDCで学び始めて半年を過ぎましたが学んだことは人事の仕事に活かされていますか?

竹内さん はい。実は非常にタイムリーなタイミングで授業を受けることができました。というのも、入学した4月は、会社で次年度以降の中期経営計画(中計)と人材戦略を検討する真っただ中にありました。経営学概論の授業のテーマがまさに中計の策定だったうえ、戦略的人的資源管理の授業では会社の経営戦略と人材戦略の垂直統合が重要なテーマであると学びました。中計と人材戦略は策定部署も担当者も異なるため、その連携を一層深めなくては勿体ないと感じ、授業内容を担当者にリアルタイムにシェアしていきました。学んだことをシェアすることで自分自身の復習にもなり、より理解が深まったように思います。
LDCでは、人材開発も組織開発も「経営に資する」ことが大切だ、と口を酸っぱく言われています。会社が変革をしようとしている同時期に学び、それをすぐに社内に還元することができたのは本当に良かったです。






「入学1か月で見える世界が変わりました」
畑中 亮介さん


―どのようなお仕事をなさっているのか教えてください。

畑中さん エレクトロニクス系の専門商社で入社以来ずっと人事の仕事をしています。入社後しばらくは労務、給与、その後は、人事システムのプロジェクトなどに関わりました。現在は人事制度改定プロジェクトの仕事に携わっています。目の前の課題にどうアプローチしていくのかを考えるのが人事企画の仕事ですので、今後は人材開発、組織開発についても検討していこうと考えているところです。


―以前から人材開発、組織開発については興味を持っていたのですか?

畑中さん 実は入社してすぐの頃、「少しもったいない会社だな」という感想を持ちました。100年近い歴史のある企業であり、優秀な人も多く、リソースでいえば、ヒト、モノ、カネ全てにおいて、それなりのものを持っているにもかかわらず、どこかかみ合っていないような違和感があったからです。みんな頑張っているのに、それぞれ向かっている方向が合っていないような感じです。
私は立教大学OBで、学生時代は放送研究会というサークルに所属していました。イベント開催の活動をやっていたのですが、やる人もやっている事もそれほど変わらないのに、年によってうまくいく年とそうでない年がありました。「みんなが同じ方向を向いているか、そうでないかが影響しているのではないか」と考え、組織の意識が同じ方向に向くような活動をやっていったところ、組織に一体感が生まれた経験があります。人事でも同じようなことを会社でもできないだろうか、ということを考えていましたね。


―LDC入学を決めたきっかけを教えてください。

畑中さん 今回、人事制度改定プロジェクトに携わることになったのですが、組織文化や考え方といった部分が変わらなければ制度を改定しても根づかないのではないか、という不安がありました。やはり制度を変えるだけでなく、もっと人の考え方や意識にアプローチして、チームの力を引き出す必要があるのではないか、と考えていたところ、LDCではそうした知識、スキルが身につけられると知り、母校でしたし、チャレンジしてみようと思って受験することを決めました。


―LDCで学び始めてどのような変化がありましたか?学んだことは人事の仕事に活かされていますか?

畑中さん これは誇張でなく、入学1か月で見える世界が変わりました。これまでは、仕事をしていても、それぞれの施策が平面的にしか見えていなかったように思います。ところが、LDCで学び始めると、人材開発についても組織開発についても様々な学問からの考えもしなかった概念があちこちから飛んできて、それらが組み合わさって、立体的に見えるようになってきました。そういう意味では、一気に視座が上がったように感じています。
人事の仕事についても、これまでは過去の経験を頼りになんとなく進めていたところがありましたが、何が正しく、何が間違っているかを、理論的根拠をもって判断できるようになってきたように思います。現在行っている社内の人事制度改革についても、戦略的人的資源管理の授業で習った要素をかなり参考にさせていただいていますが、今後はそれを人材育成や組織風土改革につなげていくため、引き続き勉強を続けたいです。


―理論的なベースができた、というのは大きいですね。

畑中さん 理論だけでなく、体験から学ぶ部分も大きいと感じます。体験しないと分からないことも多々あります。実際にやってみて、どう感じるのかを知ることで、「このやり方では経験的にうまくいかないだろう」と感覚的に分かるようにもなりました。社内で研修の意義について説明するときも、本で読んだだけの小手先の知識ではなく、体験して体感して理解したうえで話すのでは全く違う、と感じています。