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  • 2022.07.29
  • 授業
  • リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト最終成果報告会

7月9日(土)、1年次「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト(LWP)」の最終成果報告会が立教大学池袋キャンパスで行われました。LWPとは、人材開発、組織開発、リーダーシップ開発の様々な概念を体感することを目的に、チームで協働してオンライン・ワークショップ開発という課題に取り組みながら、リーダーシップ開発をおこなっていく、LDC1年次の最初にして最大の山場!?ともいわれている授業。担当は中原淳先生と藤澤広美先生です。

 
チーム活動の始まりは4月2日の入学式当日。以来、3か月に渡ってチームで課題に取り組んできました。LWPのチーム課題は「① 2022年において、多くの企業が抱える人材課題を調査し、ひとつ決めよ!」「② ①の対象者が60分で受講可能なオンライン・ワークショップを開発し、実施せよ!」というもの。授業最終日となる今日の最終成果報告会では、午前中、外部から募集した参加者を対象に各チームが開発したオンライン・ワークショップ発表、午後にはチーム、個人のリフレクションが行われます。LWP最終成果報告会は、2020年度、2021年度ともに完全オンラインで行われていたため、池袋キャンパスからのオンライン・ワークショップ発表は初の試みです。

 
全5チームが同じ時間帯にそれぞれ異なる対象者向けに60分のオンライン・ワークショップを行うため、1チームにつき1教室が割り当てられ、各チームとも集合時間前から集まり準備が進められていました。お揃いのTシャツで一体感を感じさせるチーム、連日の睡眠不足のためか、やや疲労感が漂うチームなどチームの雰囲気は様々ですが、ワークショップの流れの確認、機材のセッティングなどに余念がありません。

 
9時になり、全員が7151教室に集合。まずは授業を担当する中原先生から成果報告会の目的と1日の流れの再確認が行われました。中原先生は「大切なことは、デリバーすること」だとして、「人材開発・組織開発においては、どんなにいいコンテンツもデータも相手にお届けできなければ意味がありません。それには、話し方、見せ方、作り出す雰囲気すべてが大切です。みなさんが今すぐにできること、それは笑顔です。表情というのはメタメッセージを伝えているもの。顔もメディアの一部と考え、いつもの3倍の笑顔でお願いします。みなさん、ここまできたらやるだけ、Just do it! 頑張ってください!」とエールを送りました。

 
10時より、各教室でオンライン・ワークショップが始まりました。今回の最終成果報告会は「RIKKYO ワークショップ コレクション 2022」と銘打たれ、LDC二年次や修了生を含む100名を超える参加者が集まりました。研究科長の山口和範先生からのご挨拶とLDCの紹介に続き、中原先生による趣旨説明が行われ、10時15分からはいよいよオンライン・ワークショップがスタートです。

 
「RIKKYOワークショップコレクション2022」のメニューは下記の5つ。参加者及び審査員の先生方は5つのオンライン会場に分かれてワークショップに参加します。ワークショップの対象者は新任マネージャー、ミドルマネジャーなど異なっていますが、参加者はそれぞれの対象者の課題に合ったワークショップになっているかどうかを審査します。

ワークショップ1:部下育成に効果ばつぐん!「問いかけ」ワークショップ

ワークショップ2:あなたのチームを強くする!“サクっとシェア”のススメ

ワークショップ3:部下を成⾧に導く1on1

ワークショップ4:新任マネジャーがはじめるザッソウ(雑相)チームのつくりかた

ワークショップ5:テレワーク時代の初期装備は観察力!

 
各チームとも、対象者は異なるものの、「2022年に多くの企業が抱える人材課題」としてコミュニケーションにまつわる人材課題を選んでいるのは、コロナ禍において人と人との関わり方が大きく変化し、課題を抱えている企業が多いことを表しているようです。

 
12時前には全チームのワークショップが終了。
「今までで一番うまくできた!」「とりあえず予定通りできたので良かった」など、チームによって温度差はありましたが、大きなトラブルなく無事に終えることができました。参加者からのフィードバックも「1時間とは思えないほど濃密なワークショップでした」「プレゼンテーションがよくまとまっていました」「クオリティの高いワークショップになっていました」「チームワークが良くて、安心して楽しく参加できました」などと概ね好評で、まずは及第点をいただけたようです。


お昼休憩の後、13時15分からは、LWPのもう一つの目的である、自分のリーダーシップを磨き、身を持ってリーダーシップ開発を知る「リーダーシップ開発」の時間です。LWPはオンライン・ワークショップ開発を行い、ワークショップを実践して終わり、ではありません。これまでの3か月に渡るチームでの活動を振り返り、チーム、個人でのフィードバック、振り返りを行い、自らのリーダーシップについて徹底的に見つめ直します。
 

 
中原先生は「みなさまお疲れ様でした。まずは、ここまで無事着地できて本当に良かったです。この後は、LWPのもう一つの目的、リーダーシップ開発のところをやっていきます。はじめはチームでの振り返りを行い、チームの解散式を行います。休憩後は、個人の振り返り『大人のほろにが治療院』を行い、最後は全体で振り返りをして終わりです」と、午後のチーム、個人での振り返りの手順を説明。

 
13時30分からは、各チームがそれぞれの教室に分かれ、まずはチームの振り返りが始まりました。それぞれ、外部参加者や教員からのフィードバックに目を通し、意見を交わします。

 
「まずは時間内に無事に終われて良かった。ワークショップとしては成立していたものの、ほんとうに課題解決につながるものとなっていたのかどうかは疑問が残る」「タイトルと内容のズレがあったかもしれない。途中から気づいていたが、変えるには時間が足りないと思い、言い出せなかった」「ターゲット選定となぜこのワークショップにしたのか、という部分の整合性が足りなかった気がする」「チームワークは良かったし、笑顔でできたのは良かったが、60分で伝わりきったかどうかは疑問。持ち帰ってやってもらえるような工夫があると良かった」など、まずは無事終えることができて良かった、という思いと、とこうすればよかった、という思いが入り混じる振り返りとなっていました。

 
その後の個人の振り返りでは、チームメンバー1人ひとりに対して細やかなフィードバックが行われます。「他の人の気づかないところを拾ってやってくれるような細やかさがありがたかった」「あの時に、話しやすい雰囲気をつくってくれたのでチームが和んだ」など、細かく具体的なフィードバックが丁寧に返されていく一方で、「もっと他人を信頼して頼ってくれていいのに、と思っていました」「こだわりが強すぎるというか、勝手に思い込んで1人でやってしまうところがあった気がします」など、3か月濃密なチーム活動を行ってきたからこその辛辣なフィードバックも。1人につき30分、じっくりとフィードバックを受け取り、自分自身の「伸びしろ(Area of Growth)」を表明し、それをどうすればより改善していかれるかを考え、今後どうするのか、決意表明を行います。


17時からは全員が1教室に集まり、全員が輪になって座り、全体でのLWPの振り返りを行います。1人ひとりが、LWPでの学びを振り返り、今感じていること、今後どうしていきたいのか、決意を全員の前で語ります。


「自分にとって人生の大きな変化が起きていると感じています。LWPを通して、もっとチームに任せていいということを感じ、その中に学びや成長があるのだ、ということが分かりました。これからが楽しみです」「LWPを通して、カルチャーの違う人たちとチームで動くことの難しさを実感しました」「人生で始めてフィードバックを行い、人の成長、人の変化に深く関わっていくことの難しさ、恐さ、あるいは覚悟みたいなものを感じました」「3か月前に合ったばかりの人とほぼオンラインでここまでできたのに、なぜ会社ではできないのかが不思議です」「会ってもいない仲間とこれだけのことをやり遂げられるというのは、すごいこと。大人になって学ぶことの素晴らしさをひしひしと感じています」「この年になって『伸びしろ』なんてあるのか、と思いましたが、フィードバックによってまだまだ変わっていけそうな気がしています」など、それぞれの想いが溢れるように言葉になって語られている様子が非常に印象的でした。


最後に、藤澤先生からは「みなさん、LWPお疲れ様でした。みなさんのお話を聞いて、じわじわ感動しています。自己にしっかりと向き合い、変わろうとなさっているみなさんは本当に輝いて見えます。私自身、社会人大学院で学ぶことで新しい自分に出会うことができた、という経験を持っているので、人はいつから学んでも成長できるのだな、ということを改めて感じて嬉しくなりました。いいチーム、いいクラスになってきて、これからの学びが楽しみです。」とコメントをいただきました。

 
中原先生は、「上手くいったチームもあれば、あまり上手くいかなかったチーム、チームでのコミュニケーションが難しかったチームもあったかと思います。ですが、上手くいかなかったからダメ、成果が出なかったからダメ、というわけではありません。むしろ上手くいかなかったチームの方が学びは大きかった、とも言えます。大切なのは経験から何を学ぶかです。誰もが優秀なメンバーを集めた完璧なチームを望むものですが、実際、そんなチームはありません。チームはいつもデコボコです。秋学期から始まる『人材開発・組織開発論1・2』のチームも恐らくデコボコです。チームのデコボコをどう解消しながらリアルクライアントに対する課題解決を行っていくのか。今度はクライアント側との関係もあり、一筋縄ではいきません。この夏は秋学期に備えて、今一度、LDCで何を学ぶのか、Why are you here?ということを自らに問いつつ、春学期学んだことを振り返り、たくさん本を読んでください」と授業を締めくくりました。