ニュース

ニュース

  • 2022.04.26
  • 修了生の声
  • 修了生インタビュー「大学院での勉強は本当に楽しかったです。純粋に学ぶことを楽しんだ2年間でした」

2022年3月に修了された嶋本 泰子さんにLDCで学んだ2年間の大学院生活を振り返っていただきました。


LDC一期修了生 嶋本泰子さん(製造業 システム部門)

(写真左が嶋本さん)


―ご修了おめでとうございます。まずはLDCに入学したきっかけから教えてください。

嶋本さん(以下敬称略):私は新入社員の時から8年ほど人事の仕事をしていて、その際に人材開発、組織開発というジャンルに出会いました。その後、営業管理、売掛管理、情報システムといった部署で仕事をしてきましたが、どの部署にいる時も、チームでよりよい成果を挙げられるよう、工夫をすることが面白く、関連書籍を読んだり、独学でファシリテーションを学んで実践してみたりしていて、機会があればこのジャンルのことをしっかりと学びたい、と思っていました。そんな時に中原淳先生のブログでLDCのことを知り、説明会に参加してみることにしました。説明会には大勢の方々が参加していて驚きましたが、同時に世の中にこのジャンルを必要としている人が多いことも実感し、心強く感じ、嬉しくもなりました。とはいえ、集まった人たちの数に圧倒され、「記念受験だな」と思って受験した次第です。


―そうだったのですね。リーダーシップ・ファイナル・プロジェクトのテーマはどのように決めたのですか?

嶋本:どんなテーマのプロジェクトをすればいいか分からないまま、受験を決めたのですが、受験勉強のために本を読んでいたところ、石川淳先生の『シェアド・リーダーシップ』の本に出会い、「私が研究し、社内で実践していきたいことはまさにこれだ!」と“ビビビッ”と来まして(笑)、プロジェクト計画書のテーマは「シェアド・リーダーシップ」一択でした。合格が決まった時は、「大学院でシェアド・リーダーシップを扱うプロジェクトができる」ということが嬉しかったですね。


―入学後はオンラインでの受講ということになりましたが、いかがでしたか?

嶋本:勢いで受験してしまったものの、正直、池袋まで通学するのは大変だな、と思っていたので、オンラインになってありがたかったです。通学が前提だと、入学できる人が限られてしまいますが、オンラインであれば、子育て中の方や、遠隔地の方が学べるチャンスが得られるので、とてもいいことだと思っています。


―1年次の授業で、印象に残っている授業はなんですか。

嶋本:やはり最初のリーダーシップ・ウェルカム・プロジェクトです。同じグループの人とほぼ毎日のようにオンラインで打ち合わせをするなど大変でしたが、様々なタイプの人がいたので、お互いのいいところを学び合うことができたように思います。ITスキルに強い方からツールの使い方を教わったり、聞き慣れない横文字や専門用語が飛び交っていたりと、普段の職場とは違った刺激があり、新鮮でした。若くてもしっかりした考えを持った人もいて、「私も頑張ろう」という気になりました。


―ウェルカム・プロジェクトで特に印象に残っていることはなんですか?

嶋本:グループで取り上げた事例について書かれた書籍の著者に連絡を取り、直接インタビューをしたことです。私たちは、古河電工の業務改革の事例を取り上げたのですが、以前参加した異業種交流会で古河電工の方とお話する機会があったことを思い出し、思い切ってその方に連絡し、『反常識の業務改革ドキュメント プロジェクトファシリテーション』の著者のお一人である関 尚弘様を紹介していただきました。関様には、面識がなかった私からの突然のオンラインインタビューのお願いだったにも関わらず快くお引き受け頂き、チームメンバーと一緒に貴重なお話を伺うことができました。今思うと、普段の私なら「いきなりお願いするなんて失礼かもしれない」などとためらって絶対にできないような行動だったので、「あの短期間でよくできたな。すごいな」と自分でも思います。やはりチームメンバーがいたからできたことだったと思います。


―苦労したこと、大変だったことはなんですか。

嶋本: 1年の秋学期は、いろんな課題が重なってしまって大変でした。綱渡りではありましたが、今思い出すとそれもまた楽しかったです。2年次は、職場で大プロジェクトが始まってしまい、忙しくて大学院のための時間を捻出するのが大変でした。また、2年次は1人でファイナル・プロジェクトを進めていかなくてはならず、自分のペースでできる良さはありましたが、後半は思うように進まず苦労しました。ファイナル・プロジェクトでは、自分の実践に対するアカデミックな裏付けが求められるわけですが、先行研究がうまく見つけられず、何度も検索を繰り返したりしていて、その時は心が折れそうになりました。在学生同士の勉強会でおすすめの論文を教えてもらったりしてなんとか乗り切ることができました。


―ご自身の職場をテーマにファイナル・プロジェクトに取り組まれていますが、職場のみなさんの反応はいかがでしたか?

嶋本:非常に忙しい時期だったのですが、みなさん休日にお時間を取ってインタビューに答えてくださるなど、とても協力的でありがたかったです。なにより上司は、受験前から私が大学院に行くことを応援してくださり、部内でワークショップを行う時なども協力していただいたので、最後は「なんとしてもご恩を職場にお返ししたい」という思いでファイナル・プロジェクトを仕上げました。


―ファイナル・プロジェクトを現場に活かすことができた、と感じるようなできごとはありましたか?

嶋本:職場で始まった大プロジェクトを進めていくためには、これまで以上にメンバー同士が連携してやっていく必要がありました。そこで、シェアド・リーダーシップを実践できるよう、チームを意識して行動してもらうようにしたり、チームでの振り返りを促すような働きかけを行ったりしたのですが、これまでは個業化しがちだったところを、お互いに協力して進められたように思います。また、インタビューを通じて振り返りができたことで、チーム内でも信頼関係が深まったように思います。


―今後、どんな風に学んだことを生かしていきたいですか?

嶋本:大学院のファイナル・プロジェクト自体は一区切りついたわけですが、仕事のプロジェクトは継続していますので、引き続きシェアド・リーダーシップの実践をやっていきたいです。また、ファイナル・プロジェクトでの活動を通じて、職場のいろんな方にインタビューしたことで、信頼感が増したり、不安が解消されたりする効果を感じました。今後はこのような対話の機会を大げさでなく、日々の実務の中でも取り入れられるようにできるといいなと考えています。


―最後に入学を検討されている方に伝えたい事はありますか?

嶋本:LDCに来て、「私はこのジャンルについて勉強することがほんとうに好きなんだ」と改めて実感しました。大学時代は史学科だったので、経営学など、その存在すら知らなかった位、全く興味がありませんでした。ですが、就職して仕事をするなかで、人や組織に興味を持つようになり、LDCに入学してからは、経営学概論や経営戦略論なども、楽しく学ぶことができました。大学院での勉強は本当に楽しかったです。純粋に学ぶことを楽しんだ2年間でした。このことは入学を迷っている方にぜひ伝えたいです。