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  • 2021.12.02
  • 在学生の声
  • LDC在学生座談会 vol.1 「オンラインでのグループワーク、実態は?」

リーダーシップ開発コース(LDC)では、グループワークで学ぶ機会が非常に多く用意されています。しかし、LDCは完全オンラインで学ぶ社会人大学院。果たして、オンラインのみでのグループワークは成立しているのか、深い学びにつながっているのか、と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。そこで、LDC在学生4人に集まっていただき、グループワークについての疑問に答えていただきました。ご参加いただいたのは、LDC1年次の駒井亮さん、佐田よう子さん、村井崚さん、2年次の光延詩乃さんです。
 


■「オンラインでもこんなに深く話ができるんだ」と驚きました


―これまでのグループワークで印象に残っているものはありますか?

 
佐田さん グループワークはどれも印象深いのですが、挙げるとすればやはり「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト」です。入学式にいきなりグループ分けがあり、その場でLINE交換をし、その後はZOOMでグループワークをしていたので、初日以外はオンラインでしか会ってないのですが、「こんなに深く話ができるんだ」と、とても驚きました。
とはいえ、最初の頃は一緒のグループになった人たちが全員とても優秀に思えて、焦ってしまい、気持ちがアップダウンすることもありました。良かったのは、キックオフの時に中原先生から「グループ活動では関係の質が大事」といった話を聞いていたことです。当初から全員が「課題をクリアすることも大事だけど、このチームでやっていくことが大事だ」という意識を持ってチェックインの時間をしっかりと取るようにしていたので、その分、お互いのことを深くよく知ることができました。
対面のグループワークでは、時間と場所に制限がありますが、オンラインでのグループワークでは移動時間も無いので、その分長く時間をかけることができます。時には、全員で話に熱中してしまい、夜中まで何時間もぶっ続けでやっていたこともありました。もちろん、エンドレスにだらだらと時間をかけてしまうのは良くありませんが、集中して話しきることで、ぐっと質が高まったり、関係が深まったりしたので、そこはオンラインでのグループワークならではのメリットだったと感じています。


駒井さん 私もやはり「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト」が印象に残っていますね。オンラインワークショップをつくって発表するという課題だったのですが、「参加者から一番良い評価を獲得すること」を目標に掲げ、見事目標達成することができました。初回授業の時からチーム内で、何を目標にするかを話し合い、グループワーク中に目標がブレそうになっても、目標に立ち返って話し合い、修正していくことができたのです。
オンラインでのグループワークは、全員が自ら学ぶために集まっているということもあり、関係が悪くなったりすることはありませんでした。中間発表で教授陣からかなり厳しいフィードバックを受け、「なんとか立て直しをしなければ」と危機感を持ったことで、結束が固まったのも良かったかもしれません。また、授業内で進め方やチームプロセスの振り返りをする機会が多くあったのも良かったように思います。


―光延さんは2年次ですが、印象に残っているグループワークはありますか?


光延さん 1年次はグループワークの機会がたくさんありましたが、2年次は一気に少なくなります。ですが、今受けている「キャリアとリーダーシップ論」で行っているワークは2年次ならではのワークで、毎回とても印象的です。グループでお互いの“物語り”を聞きあうワークでは、画面をオフにして一人の人のキャリアやライフヒストリーにじっくりと耳を傾けます。同期とは知り合ってからまだ1年半ほど。様々なグループワークを通して、お互いのことをだいぶ分かり合えるようになってきましたが、過去の経験や幼少期のことなどを話す人もいて、それぞれのことをより深く知ることできます。これまでのグループワークを通して、人間関係、信頼関係ができているからこその深い話をしたり、突っ込んだ質問もできたりするので、2年目にこの授業を受けられて良かった、と感じています。


―グループワークを重ねていくと、メンバー同士、様々な形で関わりが出てきて、お互いのことをよく知ることができるようになりそうですよね。


村井さん グループ内のメンバーの組み合わせによって、色が全く違ってくるのはおもしろいところです。入学後すぐに始まった「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト」は主張の強いメンバーが多く、意見を闘わせながら進めるグループ。一方、現在進行中の「人材開発・組織開発論2」では、どちらかというと、優しく穏やかな雰囲気のグループで、全然色が違っています。グループワークを通して、他者から学ぶという要素が大きいのもLDCの特徴の一つ。グループがどのように決められているのか分かりませんが、このグループ分けにもなにか意図があるのではないか、という気がしています。

 
光延さん グループ分けに意図があるかどうか、は分かりませんが、確かによくグループが一緒になる方がいて、最初は気づかなかったのですが、振り返ってみると、その方にはいつも助けられていましたので、途中から、ありがたいなと気づきました。なにか配慮があったのかもしれません。


 
■ オンラインでのフィードバックは難しい!?

 
―LDCでは、自らのリーダーシップ開発を目的として、メンバー同士のフィードバックを行う機会が頻繁にあります。オンラインのグループワークで互いにフィードバックするというのは難しくないのでしょうか?

 
駒井さん 確かに、他のメンバーに対してフィードバックをするのは難しいところはありました。でもそれはオンラインだから、というよりも、そもそも時間的にそれほど接点が多くなかったので、「あの行動が、チーム活動のこの点に役に立ったよ」などと、しっかりとしたフィードバックができるところまではいけなかった、という感じです。とはいえ、非常に的確なフィードバックをいただくこともありましたので、自分自身、もっと細かく見ていかなければ、と反省しました。

 
村井さん 会社の上司にも言われていることを、フィードバックで指摘され、オンラインでもちゃんと見えるものなのだな、と思いました。とはいえ、会社ではLDCほどフィードバックの機会はないので、会社ではもらえないようなフィードバックがあり、それは単純に嬉しかったですし、自分がフィードバックする立場となって、人のことを見ていなかったなと気づき、もっと人を見なくては、と感じました。

 
佐田さん 私はそもそも、フィードバックに苦手意識がありました。会社で何度か360度フィードバックを受けたことがあったのですが、なんとも的外れなことが書いてあって、どう受け止めればいいのか分からず、嫌な印象だけが残っていたのです。会社では、何のために、どのようにフィードバックを行うか、といった事前説明があまり無い状態で導入されていたのですが、「LDCではいいところ3つ、のびしろ1つを相手のためを思ってフィードバックする」といったレクチャーがあったので苦手意識がずいぶん薄まりました。
フィードバックによって、気づかなかった視点をいただきましたね。それと、私のグループには大学4年生の方がいらしたのですが、フィードバックがとても上手で驚きました。経営学部のBLP(ビジネス・リーダーシップ・プログラム)で鍛えられているのか、細かいところまでよく見ているし、きちんと言語化ができているし、すごく参考になりました。

 
光延さん LDCにはフィードバックの文化が根付いているからなのか、日頃から「今日は少し疲れているように見えるよ?大丈夫?」とか「最近は調子良さそうに見えるよ」といったフィードバックもしてくれます。そういったフィードバックをもらえると、仕事やプライベートで疲れていても、元気になるし、分かってくれる人がいるという安心感にもつながり、それがまた嬉しいことです。


 
■ グループワークはむしろオンラインの方がやりやすい!?

 
―お話を伺っていると、みなさん、オンラインでのグループワークに難しさを感じている様子が感じられないのですが、オンラインだからここが難しい、といったことは無いのでしょうか?

 
佐田さん うーん。難しさは意外とないですね…。最初は不安もありましたが、やってみたらすぐに慣れました。みなさんが積極的で、グループワークに貢献しよう、自然と発言しようという方たちばかりだから成り立っているのかもしれませんが。

 
村井さん 難しさは特に無いですね…。先日、対面での授業があり、グループで話し合いをしたのですが、ZOOM上なら資料を共有して同じものを見ながら、Googleドキュメントにメモも取りながら話ができるのに、対面だとそれができないからむしろ不便だね、などという話になりました(笑)。

 
駒井さん コロナ禍でリモートワークが普及していたせいか、ZOOMを使ったりすることにもそれほど抵抗が無く、特に問題なかったですね。

 
―そういう意味では、2020年4月から急遽オンライン開講となった2年目の方は、最初、慣れなくて大変だったのではないですか?

 
光延さん そうですね。最初は大変でしたね。ツールがうまく使えない方や通信環境が悪い方がいたりして議論に集中できないなど、足並みが揃うまで3か月位はかかりました。ですが1年半経って時代は変わり、今はそうした問題は無いように思います。

 

■ 大変、だけど楽しいグループワーク

 
―オンライングループワークはどんな風に進めているのですか?なにか決まりみたいなものはあるのでしょうか?

 
村井さん 今のグループでは毎回アジェンダつくっておき、その日の議事録担当、司会担当決めて話し合いをしています。最初はチェックインで近況などを伝え合ってから、同じ資料を画面共有しながら進めていく感じです。ですが、これもグループによって異なっていて、「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト」の時は、アジェンダは無く、リーダー的な存在の方が毎回たたき台つくってくださってそれについて議論する、という感じでした。

 
駒井さん 進め方にチームカラーが出るので面白いですよね。現在は「人材開発・組織開発論2」のグループワークが進行中なのですが、それぞれが初回の「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト」でのチームの文化を引きずっているので、チェックインにじっくり1時間かけるチーム文化の人もいれば、アジェンダ通りにちゃっちゃと進めていくチーム文化の人もいて、文化の融合が起こっていますね。半年でそうしたチーム文化ができるのが興味深いです。

 
佐田さん 私がいたグループがまさにチェックイン1時間でした。着地点も特に決めず、行き当たりばったりだったので、本当に話が長かった。ですが、その時は熱中していたので、疲れましたが、じっくり話せて楽しかった。たぶん、最初だったから良かったのだと思います。今は1時間半と決めて、時間内にやるべきことを終わらせる、という形でできるようになっています。

 
光延さん 2年生はそこまで濃いカルチャーは無いですね。ちょっとうらやましいな(笑)私の場合も同じで、アジェンダを決め、ファシリテータ―と議事録書く係を決めて、それを持ち回りでやっていく、といった形が多かったですね。最初はゆるくやっているグループもあったみたいですが、やはり、だんだんと効率がいい方に流れていく気がします。ですが、チェックインは毎回やっていますね。

 
―いろいろお話を伺っていると、オンライングループワークにデメリットは特に無さそうですが、もはや対面で会わなくてもいい、という感じですか?

 
佐田さん そんなことはないです。いつもオンラインだからこそ、会った時は楽しかったですね。対面なら飲めますし!(笑)

 
駒井さん これが対面だったら、毎回授業後に飲みに行っていたと思います(笑)

 
村井さん 確かにみんなで飲みに行きたいと思いますが、オンラインのグループワークも楽しいんですよね。「リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクト」の最終発表の前はオンラインで頻繁に話していたので、終わった後は「みんなと話したいな」と、ちょっとグループワークロスになったりしました。

 
佐田さん 卒業したら、寂しくなっちゃうかもしれない、と思うくらい、それは心配になります。

 
光延さん 2年次になると、グループワークがほとんどないので、全然会わなくなりますが、全然大丈夫です(笑)

 
―グループワークロスにはなっていませんか?

 
光延さん うーん…。グループワークは楽しかったけど、頭が疲れるというか、やっぱり大変なんですよね…。今はチェックインだけやりたいです(笑)

 
一同 (うなずく)

 
―みなさんがオンラインでのグループワークを楽しんでいることが存分に伝わってきました。お話聞かせていただき、ありがとうございました!