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  • 2021.08.27
  • 在学生の声
  • 在学生インタビュー「教育の世界にリーダーシップ教育を広めたい」

2021年8月8日、一年次の田中和代さんに入学を志したきっかけや、大学院生活についてお話をうかがいました。


LDC一年次 田中和代さん(高校首席教員・英語科 )


―田中さんは高校教員をなさっているとのことですが、入学を決めたきっかけを教えてください。

田中さん(以下敬称略):入学した目的は「教育と経営学のリーダー論を結びつける」ことです。勤務先の高校で、2014年に文科省のSGH(スーパーグローバルハイスクール)の指定を受け、以後、7年に渡りグローバル・リーダー育成の取り組みを行ってきました。1年生は論理的思考や、ビジネスについての理解といったインプットが中心。2年生はビジネスプランやSDGsのアクションプランを作成し、実際にフィリピンやアメリカを訪れてフィールドワークを行い、発表する、といった教育プログラムを試行錯誤しながら続けてきて、2020年には優れた教育実践を顕彰する読売教育賞の最優秀賞をいただくことができました。
これまでの取り組みについて一定の成果が得られたことで、今後はこうした学びのありかたをもっと教育界全体に広げていきたいし、これからの日本の教育にはこうしたリーダー育成の考え方が必要だ、と強く考えるようになりました。
しかし、そのためには自分自身がしっかりとリーダー論について学び、アカデミックな背景を持っていなければ説得力がありません。どこかでリーダーシップについて学ぶことはできないだろうか、と考えていた時、インターネットでLDCを見つけて、「これだ!」と思い、申し込みました。とはいえ、これまで経営学を学んだことは無かったですし、とても合格できるとは思っていなかったので、受かった時は「なぜ受かったんだ!?」と信じられない気持ちでした(笑)


―実際に入学なさってみて、いかがですか?

田中:もうほんとに楽しくて、幸せです。なにより同級生がすばらしい。先生方の講義ももちろんすばらしいのですが、とにかく仲間から学ぶことが多いのです。特に私は公務員ということで、ビジネスのことがよくわからず、入学前は少し不安でした。ですが、みなさんとても親切で、初歩的な質問をしても丁寧に答えてくださるし、共に学び合う21名の仲間に出会えて最高です。


―教員としてお忙しい毎日を送っていらっしゃるかと思いますが、お仕事と大学院生活との両立はいかがですか?

田中:実は昨年から「大学院で学びたい」と管理職に相談していて、校長からも「ぜひ学んできなさい」と言っていただき、今年度は仕事の負担を少し軽くしていただいています。ですので、忙しいことは確かですが、なんとかやれています。あとは、オンラインで学べるということが、忙しくても続けられている要素ですね。そもそも私は関西圏に住んでいますので、オンラインでなければ参加できませんでした。


―同級生には民間企業勤務の方が多いかと思いますが、どんなところに違いを感じますか?

田中:やはり民間企業は組織立っていてきっちりしているな、と感じますね。学校現場には無い様々な取り組みについて知ることもでき、日々、刺激を受けています。そもそも学校には、教員の人材育成という概念があまりないように感じます。立場的に若い先生方からの相談を受けることも多いのですが、様々な人材育成施策が取り入れられている民間企業の事例などが分かってくると、若い人たちに根性論が通じないところなどもよく理解できるようになりました。職場環境を改善していく上でのヒントもたくさんいただいている気がします。


―大学院での学び、お仕事に活かしていけそうですか?

田中:勤務先の高校では、SGHだけでなく、国際的な科学技術関係人材を育成するため、先進的な理数教育を実施するSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の取り組みも同時に行ってきました。今後は、このSSHの取り組みの中にも、単に理数教育に力を入れるだけでなく、チームで協働して成果を出せる人材育成を目指し、リーダーシップ教育の要素を取り入れていってやっていこう、といった話になっていますので、学んだことをすぐに活かしていきたいと思っています。


―教員の方にとって、LDCは「ハードルが高い」と感じている方も多いかと思うのですが、その点は、いかがでしょうか。

田中:それが意外とそうでもないのです。確かに、経営学でも戦略やマーケティングといった分野は難しいですが、人材育成に関しては、教育と非常に近い部分があると感じています。もちろん、大人と子どもという違いはありますし、全くついていけない部分もなくはないのですが、むしろ教育の世界の方が進んでいるかも、と感じることも多々あります。その意味では、教育という立場からお話させていただくことが、同級生の皆さんのお役に立てているところもあるのではないか、と感じています。
LDCのカリキュラムには経営学概論などの基礎的な学びの授業もそろっています。大学時代に経営学を専攻していなくても、受験勉強で学んだこととあわせれば、なんとかやっていけますし、わからないことは仲間に聞くこともできます。私は経営学に目を向ける教員が一人でも増えてほしいなと考えています。キャリア教育やリーダーシップ教育など、教育現場で経営学の理論が役立つ場面は多々あります。こうした分野について学びたいと思われている先生がいらしたら、ぜひチャレンジしていただきたいです。



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開催日時:2021年9月18日(土曜)10:30~12:15
詳細  :2021年9月 リーダーシップ開発コース説明会開催・申込み方法について
※定員に達し次第、申込は締め切ります。