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  • 2021.07.29
  • 授業
  • オンライン&オフラインミックスで実施 リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト春学期成果報告会

7月10日(土)、LDC2年次のリーダーシップ・ファイナル・プロジェクト春学期成果報告会が立教大学池袋キャンパスで行われました。梅雨の合間の夏日となり、早朝からかなり暑い中、受講生11人が集まりました。あとの4人はオンライン参加というオンライン&オフラインミックスのハイフレックス形式での授業です。


2年次にとっては、今年度初のオフラインでの対面授業。大学構内に入る際には、入り口で検温、手指消毒が義務付けられ、換気も徹底されています。授業を実施する11号館3階の2教室では、事務局により、オンライン、オフライン両方に対応できるよう、早朝から画面や撮影機材のセッティングが行われました。


8時35分、受講生や先生方が集まり始めました。2年目ということもあり、同級生同士「ひさしぶり」「あ、どうも」と和やかで落ち着いた雰囲気です。先生方も続々と入室。山口和範先生、田中聡先生、中原淳先生、舘野泰一先生、村嶋美穂先生がリアルでの参加、石川淳先生と藤澤広美先生はZOOMでの参加と、先生方もオンライン、オフラインのミックスです。


8時50分、授業がスタート。事務局の加藤さんから、本日の予定と注意事項について説明がありました。午前中は全員がファイナル・プロジェクトの春学期成果報告を行い、先生方からのレビューや受講生同士のフィードバックをします。お昼休憩をはさみ、14時15分から16時までは春学期の振り返りと秋学期に向けての取り組みを考える予定となっています。


はじめに中原先生から「2年次の春学期成果報告会ということで、みなさんにとって、いいマイルストーンになることを期待しています。LDCのカリキュラムは、1年次にはかっちりと組まれていますが、2年次になるとそれが一気に解かれ、自走する形になります。解放感を楽しみつつも、周囲が見えない中で、たった一人で自分の課題と向き合い、プロジェクトを進めていかなければならない心細さもおありかと思います。今日は成果報告ということで、現時点での成果を発表し、そのフィードバックをもらうことも大事なのですが、他の人の発表を見ることで、自分に足りないところ、課題を見つけていただきたいと思います。今日は楽しみにしています。みなさん、頑張ってください」とのお話がありました。


9時からは2教室に分かれ、各部屋でファイナル・プロジェクト春学期成果報告会が始まりました。発表は1人あたり10分。その後、先生方や他の受講生からの質疑応答に10分という形です。クライアント組織についての説明から、課題の共有、調査や介入プロジェクトの概要、先行研究から効果測定の方法まで、盛りだくさんの内容を10分間で説明しなければならず、発表者のプレゼンも自然と早口に。先生方も一言も聞き漏らすまいと真剣に耳を傾けます。


教室内には大きなモニターが置かれ、発表者のプレゼン資料が映し出されます。教室からは2台のカメラが発表者と先生方の様子を撮影し、それぞれZOOM配信します。オンラインによる発表は、教室のモニターに映し出され、先生方や他受講生からのコメントもオンライン、オフラインを交えて行われるなど、バーチャルとリアルが混ざり合った授業となっています。


ファイナル・プロジェクトでは、それぞれが選んだクライアント組織の経営、現場にインパクトを与えるために、人材開発・組織開発の観点から課題解決を行い、それを記述したアカデミックペーパーを作成します。アクションとリサーチを両立させるプロジェクトを行う、というところがLDCのユニークなところであり、難易度の高いところでもあります。


休憩もはさみつつ、2教室で15名の発表が行われた後は、1年次の成績優秀者を表彰するディーンズリストの発表が行われ、2名が発表されました。お昼休みには、受講生同士少人数グループに分かれて昼食を取りに出かけました。


午後は14時15分から「春学期の振り返りと秋学期に向けて」とのテーマで、中原先生、藤澤先生による振り返りの授業が行われました。はじめに、中原先生からファイナル・プロジェクトの目的、プロジェクト報告書の定義、プロジェクトを評価する観点などについて改めて説明がありました。最後に「今、7月です。1月末の最終報告審査会まで意外と時間がありません。不安になった方もいらっしゃるかと思いますので、私からのアドバイスとして2つ述べます。一つめは、研究とは執念である、ということです。これは私自身が指導教員から言われていたことです。ノーベル賞を取ろうというのでもない限り、論文と頭の良さはほとんど関係ありません。思いの強さ、こだわった時間の長さ、なにより諦めないことが一番重要です。諦めなければ必ず終わります。精神論かもしれませんが、これは大事なことです。もう一つは、なるべく一人で抱えずに、誰かと支え合ってやってください、ということです。研究を進めると不安になります。終わるのかな、これでいいのかな、と不安になったり、自信を失くしたりするものです。そんな時にはお互いに支え合える仲間、コミュニティが力になります。どうぞいいコミュニティをつくっていってください。私からはここまでです」と、エールが送られました。


続いて、今回の春学期成果報告会について、各々に振り返る時間がとられ、15時からは一人2分ずつ、振り返りと秋学期に向けてアクションプランの発表を行いました。
「焦りと刺激を受けました。真の課題を明らかにすることの必要性と、先行研究による裏付けの薄さを感じました。誰のどのような行動変化を目的にするのか、クライアントと共に話し合い、もう少し絞りこんでいきたいと思っています」
「顧客に提供するものと、研究においてのアウトプットが混同してしまっているところがあったので、それを整理しなければ、と感じました」
「自組織を対象にしたプロジェクトに取り組んでいます。マネジャーたちへのインタビューを行っていると、『こんなことを考えているんだ』と初めて知るようなことも多く、長年勤めてきましたが、新鮮な目で組織が見られるようになってきました。自組織を良くしたい、という思いを大切に、論文や本を読んだり、みなさんと勉強会をしたりしながら、秋学期に向けてやっていきたいです」
「先行研究の読み込みが不足していると感じました。1日1論文を目指す、と言っていたのですが、全然できていなかったので、夏休みは論文を読み込み、アクションにつなげていきたいです」など、それぞれが夏休み、秋学期に向けて新たな決意を述べていました。


最後は秋学期からお休みに入られる藤澤先生が「春学期はお疲れさまでした。秋学期に向けてのアクションプランをお聞きして、プロジェクトがどうなっていくのか、さらに楽しみになりました。みなさん『今日を乗り切った』という安堵感と共に『プロジェクトを早く進めていかなければ』という焦りも感じているのではないでしょうか。ファイナル・プロジェクトでは、アクションとリサーチを両立させるという、LDCならではの難しさがあるかと思います。『現場にインパクトを与える課題解決を行う』ということは、それだけでも十分意義のあるプロジェクト研究ですが、そこにぜひアカデミックな裏付けを入れていただきたい、というのが教員としての願いです。時間の許す限り、ご自身の研究と向き合っていただければと思います。私自身、秋学期はLDCをお休みしますが、修了式には顔を出したいと思っていますので、笑顔で再会できることを楽しみにしております。どうぞみなさん、良い課題解決を」と述べ、授業を締めくくりました。


LDC2年次の春学期は、7月後半に行われる個別面談を残すのみです。久しぶりに行われた池袋キャンパスでの授業でしたが、自身のプロジェクト研究に向き合い、共に学び合う仲間の存在を確かめるいい機会となったのではないでしょうか。LDCでの学びの日々はまだまだ続きます。