4月の入学式の日に結成された5チームで、オンライン・ワークショップの開発に取り組むこと1カ月半。5月22日(土)の1・2時限、8時50分~12時25分に、リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクトの中間発表会が行われました。
リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクトのチーム課題は「対象者(高校生、大学生、新入社員、新任管理職、中高年社員)が、仕事において活用することのできる『リーダーシップ』をとりあげ、自らに必要となるリーダーシップの概要・意識・活用事例を理解できる60分のオンラインミニワークショップをチームでつくり、実践せよ!」というもの。中間発表会では、5つのチームが順に「どのようなリーダーシップを取り上げ、それをどのようなオンライン・ワークショップに落とし込むのか」をプレゼンテーションしました。司会はいつも明るい声で授業の進行役を務める藤澤広美先生です。
各チームの企画案は、高校生向けに自分らしいリーダーシップ発揮ができるようなワークショップを行う、コロナ禍で社会関係性資本が不足している大学生向けにつながりづくりのワークショップを行う、業務のオンライン化によりOJTの機会が失われた新入社員向けに自発性を高める新人卒業研修を行う、中高年向けにシェアードリーダーシップを学ぶ研修を行う、プレイヤーからマネジャーにマインドセットを変えるため、新任管理職向けにオーセンティックリーダーシップの研修を行う、というもの。どの企画も、対象層からの聞き取りで「ナマゴエ」を集めるなど課題の見極めがきちんと行われたうえで、それらの課題解決につながるよう、工夫が凝らされたものになっていました。
各チームに中間評価、フィードバックを行ったのは、授業担当の中原淳先生、石川淳先生の他、山口和範先生、佐々木宏先生。「非常に論理的でわかりやすい」「プレゼンがうますぎる」など、社会人大学院生ならではのクオリティの高さを評価しつつも、「個人のためのワークショップになってしまっていて、組織でリーダーシップを発揮するためのワークショップになっていないのでは」「1時間に2つも3つもワークを入れるのは難しい」「1度のワークショップでリーダーシップを身に着けるのは無理。ゴールのハードルが高すぎる」など厳しい意見も。
最終発表会には招待された人たちを対象に各チームがワークショップを行います。中原先生からは「ゴールはワークショップをつくることではなく、参加者にきちんと届けることです。きちんと届くよう、企画の練り直しはもちろん、伝わる言葉遣いやデザインなど、細かい部分を詰めていただけたらと思います」との言葉がありました。他チームの受講生からも様々なフィードバックを受け、テーマやコンテンツのブラッシュアップが進んでいきそうです。
最後は、「モードを変えて、自分たちのリーダーシップについて振り返る時間です」ということで、リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクトのもう一つの目的である「リーダーシップ開発」についての講義が行われました。
内容は、「リーダーシップ開発」における「フィードバック」について。経験学習型のリーダーシップ開発の中でも多くの企業が導入している手法が、「360度フィードバック」です。高い効果があることが実証されている手法ですが、効果が見込めるということは、“痛み”を伴うものでもあり、慎重に行う必要があります。
「フィードバック」のポイントは、「決めつけずに、はっきり言う」こと。SBI(状況・行動・効果)情報を提示し、「私にはこのように見えた」と伝える。弱みの改善も重要だが、強みをはっきりと伝えることも大切…など、相手の成長を後押しする姿勢でフィードバックに臨むことで、効果的に自己認識(セルフアウェアネス)を高め、自らのリーダーシップ開発につなげていくことができるのです。
午後の時間はチーム毎のフィードバックタイムとなり、チームメンバー一人ひとりに対してチーム活動の中で気づいた相手の「強み」と「Area of Growth=伸びしろ」についてのフィードバックを行います。その後、全員で「強み」をどう伸ばすか、「Area of Growth」をどう克服すればいいかを話し合います。他者にしか見えない自分の姿を知り、自らと向き合うこともまた、リーダーシップ開発を学ぶうえで重要なプロセスの一つなのです。
最終発表会は7月4日(日)。LDC入学者への洗礼 !? リーダーシップ・ウェルカム・プロジェクトはまだまだ続きます。