ニュース

ニュース

  • 2021.04.30
  • 授業
  • LDCの学修の集大成 リーダーシップ・ファイナル・プロジェクト始動!

4月10日(土)の1・2時限8時50分~12時25分にリーダーシップ・ファイナル・プロジェクト(LFP)の第1回オンライン授業が行われました。担当の中原淳先生、藤澤広美先生と共に、今春から立教大学経営学部助教に着任された村嶋美穂先生も参加されました。2年目に入る学生たちの表情は落ち着いていて、授業は和やかな雰囲気で始まりました。



大学院での学修の集大成となるこの授業では、人材開発・組織開発のプロフェッショナルとして実践力・課題解決力を獲得することを目指し、チームではなく、一人で、本格的なクライアントワークに取り組みます。それぞれが自分でクライアント組織を探し、その組織の課題を解決するための人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の取り組みを実施し、成果をプロジェクト報告書にまとめて、2022年1月上旬に提出。1月下旬の成果報告審査会にて修了可否が判断されるまで約9か月に渡る長期プロジェクトです。


初回授業ではありますが、ファイナル・プロジェクトのキックオフは昨年11月に行われており、学生たちのほとんどが個別にクライアント組織を見つけ、キーパーソンへのインタビューや関係者へのヒアリング、データ収集など、既にプロジェクトを始動させている状態で臨んでいます。


授業はLDC事務局の加藤走さんによるリーダーシップ・ファイナル・プロジェクトの概要説明から始まりました。「大学院での学修の集大成となる授業」とはいうものの、講義型授業はほとんどなく、プロジェクトに関する個別面談を中心に進んでいく、というところがこの授業の大きな特徴です。


個別面談のスケジュールや予約方法などについての説明があった後は、中原淳先生がプロジェクトの目的を示すと共に、前年度の「人材開発・組織開発論2」で学んだ「人材開発・組織開発のプロセス」の内容を再度、駆け足で振り返ります。


復習ということもあり、中原先生が「さて、評価には形成的評価(Formative Evaluation)と総括的評価(Summative Evaluation)があります。どう違うでしょうか?」「4つの評価基準、反応 / 学習 / 行動 / 成果とはどういうことでしたか?」などと、受講生を指名し、理解度を確認する場面も。終盤にはプロジェクトを進めるうえでの注意点がいくつも続きました。


最後は「研究の習慣をつくり、常に考え続けるよう」「一人で抱え込まないように、自主的に呼びかけてコミュニティをつくり、ペースをつくろう」「いきなり人材開発・組織開発はできない。早め早めに動こう!」といったアドバイスまで。「2年目に入って説教臭くなった!とお思いになったかもしれませんが、いよいよ研究指導モードになってきました(笑)。みなさんには現場で使える『道具』は一揃えお渡ししましたので、あとはそれらを使って各々のプロジェクトをどんどん進めていってください」と、2年生たちにエールを送りました。


休憩後は、お互いのファイナル・プロジェクトをシェアする「プロジェクト計画を聞き合う会」が行われました。1回目は3人グループで、2回目は5人グループで発表と質疑応答を行います。中原先生はプロジェクト計画を共有する意義について、「プロジェクトについての質問やフィードバックが、一歩先行くお手伝いになります。また、他の人のプロジェクト計画から学ぶことは、自分のプロジェクト計画を進めるうえでも役立ちます。プロジェクトに共通点があれば、お互いに協力しあったり、情報交換することもできます。この機会がそうしたきっかけとなれば、と思います」と話しました。


ファイナル・プロジェクトに取り組む15名のプロジェクトは様々。自組織をクライアントにする人もいれば、旧知のクライアントに取り組む人、初めてのクライアントに取り組む人もいて、「自組織に調査をするので、本音を引き出せるかどうかが難しい」「プロジェクトを進めながら途中で組織が変わってしまう可能性もあり、不安」といった声もありました。


また、プロジェクトの進捗度合いも人それぞれで、早くもデータ収集を終えているという人もいれば、クライアント組織のキーマンへのヒアリング段階という人もいて、「もう調査が進んでいるんですね!すごい」「これからクライアントとの信頼関係がどれだけ築けるかが心配」といった声も。


取り組む課題は、ミドル・シニアの活性化、女性活躍、管理職のマネジメント力向上、中途採用者のオンボーディング施策など様々ですが、どれも日本の多くの企業が抱えている組織課題ばかりです。「プロジェクトの方向性が似ているところがあるので協力しあってがんばりましょう」と、お互いのプロジェクトの共通点を見出し、参考文献を紹介しあう場面などもありました。


最後は中原先生が「みなさんに知的探求の旅を続けていただいくために、今日は少し厳しいことを言わせていただきました。今後は、みなさんの課題、状況に即して、個別の支援をやっていきたいと思います。1つお約束することは、本人が止めることが無い限り、我々教員は最後までサポートを止めることはない、ということです。15人全員が無事修了できることを祈っています」と授業を締めくくりました。