2020年9月19日(土)に経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)の説明会をオンラインにて開催いたしました。多くの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。
本説明会では、本コースの特色や入試制度について、経営学研究科の各担当教員から説明を行いました。また、在学生数名が参加し、半年間コースで学んできた感想を伝え、参加者からの質問に答える時間を設けました。
今回ご参加いただけなかった方にもLDCへの理解を深めていただけるよう、説明会レポートを「教員パート」、「在学生パート」の2回に分けてお届けいたします。
以下、説明会レポートです。以下のセッションに分けて当日の様子をレポートします。
◇経営学研究科委員長からの挨拶
◇ようこそリーダーシップ開発コースへ
◇コースのミッションと特徴/入試について
◇今年度の授業の様子
◇今年度入学した在学生の声
◇クロージングメッセージ
◇経営学研究科委員長からの挨拶
オンライン説明会は経営学研究科委員長である山口和範教授の挨拶から始まりました。
「みなさま、ご参加ありがとうございます。リーダーシップ開発コース(LDC)は2020年4月よりオンラインで開講しました。
といっても、2月までは通常の大学院授業が行われる予定だったのですが、新型コロナの影響で急遽、オンラインに切り替えることを決断。教員、スタッフ一同がリーダーシップを発揮し、他大がスタートを遅らせる中、予定通り4月初めからオンラインで全面開講することができました。
当面はオンラインでの授業を続けていきますが、対面での学びも重視しており、秋学期からは、一部オンキャンパス活動も実施する方向です。
ただ、4月以降オンラインでのコース提供を続けるなかで、対面での学びと比べても遜色のない学習効果が得られていると確認できたこと、また、働きながら学ぶ社会人にとってはオンラインで学習できることはむしろメリットが大きいことを踏まえ、今後もオンライン開講を原則とし、オンラインだけでも修士の学位が取れるようなコース設計にしていくことを考えています。
こうした経緯から、次年度からの方には、学期のスタートなどで対面でも会うことができるスクーリングの機会を提供しつつ、オンラインだけでも経営学修士が取れるコースとすることをお約束します。オンラインがつながるところであれば、どこからでも参加できる大学院としますので、関東圏以外の方も、海外在住の方も、本コースについてよく知っていただき、ぜひチャレンジしてください。お待ちしております」
◇ようこそリーダーシップ開発コースへ
続いて、経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース主査 中原 淳教授が登場。
中原教授は、冒頭から「リーダーシップ開発コースはMBAなのか?」と、ZOOMの投票機能を使って参加者に問いかけました。中原教授の回答は「No」。
経営学修士が取得できる大学院ということで、MBAと混同されがちなLDCですが、
・MBAはビジネスのジェネラリスト育成を目的とし、経営学を広く網羅的に学ぶものが多いが、LDCは人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の高度プロフェッショナル人材の育成を目的とし、より専門に特化した内容を学ぶプログラムとなっている
・仮想ケースを扱うのではなく、ビジネスの課題解決を実際に行うところまでカリキュラムに含めている
という点で、MBAとは学ぶ内容が異なると指摘します。
さらに、LDCの特徴として以下の3つを挙げます。
①人材開発・組織開発・リーダーシップ開発の高度プロフェッショナル人材を育成
②オンライン学習によるカリキュラム提供によりDx時代の人材開発・組織開発を牽引
③クライアントへのプロジェクト実施を修了要件とし、アカデミック・プラクティショナーを養成
そのうえで、「海外でも、今、MBA志望者は減少傾向にあり、転換期にあると考えます。LDCは専門性を深く実践的に身につけられるという意味でMBAのその先へ行くコースであると自負しています。」と話しました。
続いて、在学生のバックグラウンドについて話が移りました。LDCは経営学をベースにしてより専門分野に特化した内容を学ぶコースではありますが、「一期生の7割が経営学以外の出身。経営学のバッググラウンドが無ければついていけないわけではない。必修科目中心のカリキュラムが組まれていることにより、経営学を体系的に学べるようになっているので、安心してほしい」とのこと。また、一期生には人事に関わる職種に就いている人だけでなく、様々な業種、職種の人が集まっていることにも触れ、「ぜひ多様な人に集まってほしい」と付け加えました。
また、オンライン教育について不安に思う人に向けて、「オンラインラーニングの学習効果は対面授業と変わらない、という研究結果が数多く出ているほか、オンラインと対面を組み合わせたブレンディッドラーニングは対面教育以上の効果がある、との研究結果も出ている。もちろん、対面の場もしっかりとつくっていく予定だが、我々は満足していただけるようなオンライン教育を提供していく予定なので、安心してほしい」と話しました。
最後に中原教授は、「10年後、LDCの卒業生たちが人材開発、組織開発のプロフェッショナルとして様々な分野で活躍し、日本の人材をより高度にするための仕事に取り組んでいることを夢見ている」と述べ、「このヴィジョンに共感してくださる方はぜひ、LDCにいらしてください」と、話を終えました。
◇コースのミッションと特徴/入試について
続いて経営学研究科経営学専攻 前期主任 石川淳教授がコースのミッションと特徴、そして入試についての説明を行いました。
石川教授は「このコースのミッションは『豊かな経営学知識に基づいた次世代のリーダーシップ開発の促進』です。ですが、なぜこのコースが立教大学にあるのか?みなさんも疑問にお持ちだと思います」と語りかけ、次のように話しました。
「理由の1つは、立教大学の理念にマッチしているから、ということが言えます。立教大学はキリスト教系の大学であり、リベラルアーツ教育を掲げています。リベラルアーツとは一般教養などと訳されますが、我々はこれを、単なる教養ではなく『自由な市民になるための術』と考えています。自由といっても、好きな時に飲んだり食べたりできる、といった意味の自由ではなく、カント哲学における自由、世の因果律から離れた自由を意味しています。自分の欲望、利益のためではなく、自由意志を持って他者のため、社会のためにリーダーシップを発揮できる人を育成することが、我々の目指すところであり、立教大学の理念と重なるところなのです」
「もう1つの理由は、これまでの研究、教育の積み重ねがあるからです。立教大学にはリーダーシップ研究所というものがありますが、前身である産業研究所は50年以上の研究の積み重ねがあります。また、立教大学経営学部では2006年からビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)というリーダーシップ教育のカリキュラムがあり、企業や文科省からも高い評価を得ているなど、この分野の教育の積み重ねがあることも触れておきたいと思います。」
そのうえで、石川教授は、下記の5点をコースの特徴として挙げ、
◆経営学をベースにリーダーシップ開発・組織開発を学ぶ
◆アクティブ・ラーニング中心の授業
◆必修中心のコースワーク設計
◆実務家教員の参加
◆金曜日夜と土曜日に授業をオンライン開講
「必要な知識、スキルを体系的に学んでいただけるよう必修科目中心のカリキュラムになっています。そのため、教員ミーティングを頻繁に行い、授業間の連携を進めています。これは他大ではあまり見られない特徴なのではないでしょうか。また、仕事を続けながら学べるので、学んだことをすぐに職場で実践してまた戻る、といった実践との往還が可能なのは、学びを深める上で大きなメリットだと思います。なによりアクティブ・ラーニングで学べるオンライン授業の質には自信を持っていますので、その点はご安心いただきたいと思います」と述べました。
◇今年度の授業の様子
続いて、経営学研究科の藤澤広美助教が、今年度のオンライン授業の様子を報告しました。
藤澤先生は、『2020年度LDC運営に関するアンケート』結果の一部を紹介。
・オンライン授業に対する評価は満足している
→非常に満足している + 満足している + やや満足しているの割合:100%
以下項目は「あてはまる + ややあてはまる」の割合が、
・授業に集中できた100%
・オンラインのグループワークを効率的に勧められた100%
・オンラインでも受講生同士の学び合う関係性を作ることができると感じている91.6%
・このままオンライン授業を進めてほしい100%
とのこと。
「果たしてオンライン授業のみで、満足いく学びが得られるのだろうか、とご心配の方もいらっしゃるかと思いますが、こうしたアンケート結果から、受講生たちがオンライン授業に非常に満足していることをお分かりいただけるかと思います」と報告。
また、実際にどのような授業が展開されているのかイメージできるよう、中原淳先生、石川淳先生、本間浩輔先生、3名のオンライン授業の動画したものを放映しました。
◇今年度入学した在学生の声
ここで、4月からLDCで学んでいる在学生のうち5名が、LDCでの学びについて紹介しました。このセッションの様子は、後日掲載予定のリーダーシップ開発コース説明会レポート2 在学生の声をご覧ください。
◇クロージングメッセージ
最後に、経営学研究科の各担当教員から次のようなクロージングメッセージがありました。
山口和範教授
「本日はありがとうございました。大学院は教育を受けにくる場所ではありません。大学院生には、一緒に学びを作る義務もあります。与えることができなければ、受け取ることもできない、そうした場です。ぜひ、一緒に学びを創っていく人に来ていただきたい、そう願っています。みなさんのチャレンジ、お待ちしています」
石川淳教授
「みなさまありがとうございました。私からはいくつかお寄せいただいたご質問にお答えします。
まず、英語力に関してのご質問です。次年度入試では、特例措置により外部試験(TOEFLやTOEIC)による英語の能力試験の提出は必要ありません。ただ、流暢に話せる必要はないものの、英語の文献を辞書等を使って読める程度の能力は必要かと思います。
また、指導教授についてですが、半年毎に変わるメンター制度はありますが、指導教授制はとっておりません。全員でみなさまの教育に関わりたいと考えていますので、どの教員にも気軽に相談していただきたいと思います。みなさまと一緒に学べることを楽しみにしています」
中原淳教授
「この大学院の特徴はアカデミックな知見に基づいて実践できる人=アカデミック・プラクティショナ―を社会に排出することを目指しているという点です。そのために、大学院の中でもとにかく実践すること、経験から学ぶことを重視しています。アカデミック・プラクティショナーを目指したい人、理論に基づいて実践を確かなものにしていきたい人にはぜひいらしていただきたいです。
もう1つ、在学生の方が『フィードバックの機会が多い』とおっしゃっていました。確かにフィードバックの機会は多く設けていますが、それは、自分を吐露してほしいから、というわけではありません。人材開発、組織開発に携わる人は、他人に対してフィードバックさせる場をつくる人です。他人にフィードバックを強いるのであれば、まず自分でその痛みや辛さを体験したうえでやらないと、説得力がないのではないかと考えているからです。その点はぜひご理解いただきたいと思います。みなさんと一緒に学べることを楽しみにしています」
【当日使用した資料】
画像をクリックしていただくと、投影資料の一部をご確認いただけます。
【出願資格、入試日程、受験資格など(2021年度入試)について】
立教大学 大学院入試の情報
※リンク先「各研究科の実施区分、出願資格、入試日程、受験資格など(2021年度入試)」よりご覧いただけます。「経営学(MB)」が本コースを意味しています。
※出願手続き等の詳細が記載されている入試要項は秋~冬の公開予定です。新型コロナウイルス感染症の影響により、入試要項の公開が例年より遅れる場合があります。
【今後のスケジュール】
※入学試験関連の情報は「入試要項」を必ずご確認ください
11月頃 入試要項・サンプル問題提示
1月 出願受付
2月 各種試験
3月 合格発表、入学・履修準備
4月 授業開始
(了)