2020年10月17日、一期生の段原猛さんに入学を志したきっかけや大学院生活の感想などをうかがいました。
LDC一期生 段原猛さん(銀行員)
―入学を決めたきっかけはなんですか?
段原さん(以下敬称略): 一言でいうと「タイミング」です。ちょうど2018年に10年の海外勤務から帰国してきました。海外子会社の従業員向けの研修センターのようなところで人材育成の仕事に就いておりました。帰国後は監査部に配属となり、1年ほど経った2019年の夏ごろにLDCの話を聞き、すぐに「これはやるしかない!」と思いました。
というのも、私は現在55歳。銀行員のキャリアとしては、関係会社や取引先の会社に出向するなど、セカンドキャリアを考えるべき時期にあたり、「今後どうしていこうか」と考えていた時だったからです。これまで通算13年ほど人材育成の仕事に関わってきて、好きでやりがいも感じていたので、今後はライフワークとして人材開発、組織開発の仕事をやっていきたいと考えていました。それなりの経験を積んできたという自負はありましたが、経験だけではこの先の10年、15年走れるかというと少し不安もありましたので、一度大学院に行ってしっかりと学び、専門知識を身に着けられたらと思い、申し込みました。
―実際に入学なさってみて、いかがですか?
段原:金曜と土曜だけ、ということで、入学したのですが、実際は金曜以外の平日の夜もグループワークや課題などで時間が取られてしまう、というのが誤算でしたね。思いのほか時間が取られてしまう、というところは覚悟した方がいいかもしれません(笑)。
授業も想像していたよりもダイナミックというかアクティブというか…。課題図書を読み、淡々と講義を聞く授業ばかりかと思っていたのですが、活発に意見を交わしたり、グループワークをしたり、毎回刺激的でとてもおもしろいです。
―年代も職種、業種も様々な人たちが集まっていますが、やりにくさはありませんでしたか?
段原:思った以上に多様な人たちが集まっているなという印象がありますが、対人関係やコミュニケーションスタイルについて振り返ったり、フィードバックしたりすることがLDCの学びの中に組み込まれていますので、むしろ、それも含めてプログラムの一部なのではないかとさえ思えてきます。年齢的に私は上の方だと思いますが、みなさんフラットに接してくださるので、いい関係が築けている気がします。
―大学院生活の中で、イメージしていた通りの学びを得られていると感じていますか?
段原:イメージしていたよりも平穏無事ではない気がしています(笑)。自分自身、年齢的にも上ですし、10年以上人材開発の仕事に携わり、それなりに経験を積んできたという自負があったのですが、「意外とそうでもないかもしれない」と気づきました。やはり、世の中まだまだ広いなと。多様な方々がいらして、それぞれ持っている経験知も様々で、学ぶところが多いと感じています。
こんなにも知らなかったことがたくさんあるとは思いませんでした。おかげで謙虚になれたような気がします。今後に活かせるかどうかは、まだ真っ最中ですので何とも言えませんが、ここで学ぶことが無いままに新しいキャリアをスタートさせていたとしたら、きっと周囲に迷惑をかけていただろうとは思いますね。
―今後、LDCで学びたいと思われている方に向けて一言お願いします。
段原:「自分はこのコースに合っているのだろうか?」ということで悩まれている方がいたとしたら、「大丈夫です」と即答してあげたいです。年代にしても、職歴にしても、人柄にしても、いろんなタイプの方が集まっていますし、プログラム自体にそれぞれの強みが引き出されるような仕掛けがされている気がします。
また、「人づくりと組織づくりを学ぶ」日本で唯一の大学院ということで、通常のMBAとは異なる専門性の高いコースではあるものの、少しでも人や組織に興味がある方であれば、意外とどんな方にもマッチするのではないか、という気がしています。ただ、「中原淳先生の弟子になりたい」という気持ちで入られると、ちょっと違いますよ、ということはお伝えしたいですね。大学院のゼミで一人の先生に師事するといったスタイルではなく、必修科目中心のプログラムの中で、それぞれ専門の先生方から各分野の理論と実践を、効果的、効率的に学べる、というところが他には無い良さだと思います。