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  • 2020.04.22
  • 授業
  • 経営学の全体像を2か月で学び、中期経営計画を立てられるようになる!? 「経営学概論」オンライン授業

 4月から開講した立教大学大学院リーダーシップ開発コース(LDC)の特徴の一つは、「必修中心のプログラム」であること。コース修了に必要な30単位中、必修は実に24単位。経営学に基づく「人づくり・組織づくり」の専門科目を着実に学べるコース設計となっています。

 4月10日(金)にオンライン授業をスタートした「経営学概論」はそうした必修科目の一つ。毎週金曜18時30分から21時55分まで、春学期前半(7日間全14回)に経営学の全体像を包括的に学んでいきます。担当はマーケティング・リサーチ、ビッグデータ、データ・アナリティクスなど、デジタルデータとマネジメントの複合領域を専門とする経営学部経営学科の佐々木宏教授です。

経営学概論の授業の様子


 「経営学概論は経営学全体を俯瞰し、研究の基盤を作ることを目的にしています。ここでは、経営戦略、組織、会計、オペレーション、イノベーション、サステナビリティなどについて、毎回1テーマ完結型で学びます。これが終わると、講義は直ちにLDCのコアともいえる人と組織に関わる「組織行動論」(春学期後半:石川淳教授)に引き継がれていき、春学期全体で経営学の主要分野を網羅するステップになっています」(佐々木先生)
 講義内容はMBAに負けないレベルの内容にすること、経済学や社会学にさかのぼって理論の源流をつかむこと、英語(英文)を併記して英語で書かれた原書や論文に慣れてもらうこと、などを心掛けているとのことでした。


 といっても、学ぶのは理論だけではありません。「経営学は理論と実践の学問」ということで、しっかりと頭を使い、手を動かすワークの時間もたっぷり設けられています。
 第2回にあたる4月17日(金)のオンライン授業は事業戦略立案プロセスがテーマで、PEST分析、5つの競争要因、価値連鎖、VRIO分析、SWOT分析など、経営戦略にまつわる様々な理論とそこから生み出されたフレームワークを一気に学び、グループ毎に企業の外部・内部分析のワークに挑戦。最終回までに、こうした理論やフレームワークを活用しながら架空企業の「中期経営計画」をつくるのが、受講生に課された課題です。
 経営学の基本となる概念がぎゅっと詰め込まれたスピード感あふれる“濃厚な”授業でしたが、講義ありワークあり質疑応答ありで頭をフル回転するうち、いつの間にか3時間が経過。受講生たちも「頭からいい汗をかいた」のではないでしょうか。


 佐々木先生は、「社会人大学院ということで、職種、業種も様々ですし、経営者もいれば、MBAホルダーもいるなど、多様なバッグラウンドの方々がいらっしゃいますが、みなさんとにかく学びへのモチベーションが高いです。反応が迅速で質問のレベルも高いので、とても楽しいですね」と話します。
 開講から、突然のオンライン授業となり、当初は不安もあったとのことですが、今は、オンラインならではの良さを感じているといいます。「オンラインの方がみなさんの集中力が高まるように感じています。ただ、長時間一方通行の講義では持たないので、時間を短く区切ってメリハリをつけ、ところどころにワークを挟むなど、時間配分を工夫するようにしています。困るのは受講生全体の空間が見渡せず、雰囲気がつかめないところですね。そこで、『今は今日の講義の中のどこにいるのか、何をする時間なのか』について、適宜インタラクションをとって確認しあいながら進めていくようにしています」(佐々木先生)


 次回は「組織と意思決定」をテーマに、上場企業の経営トップの方をゲストに迎え、実務家からのリアルな声を聞く予定。焦点は、コーポレートガバナンスvs.経営リーダーシップ、この2つをどう両立させていけばいいのか。教室で顔を会わせる日が1日も早く訪れることを望みつつ、学び続ける受講生たちと共に「学びを止めない」LDCの試みは続きます。